護衛クエスト
その日。
西城ワイゲンにある領主の居城に。
商人の馬車が到着した。
N・兵士「止まれ!」
N・兵士「ここはロードワイゲン公爵の居城である。なにようか!」
クリス「先日お嬢様をお届けしたクリスタル商会のクリスと申します」
N・兵士「「!?、話は聞いておる。馬車の中にいるのは、護衛メンバーか?」」
クリス「はい、みんな」
サミエル「は~いどうも~」
N・兵士「なっ、了解した。そちらの兵士の案内に従うように」
馬車の中から幼女ドワーフが顔を出してちょと驚かされたようだが、話を聞いていたのかスルーするようだ。
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兵士に言われ石畳の通路を抜けると。
クリス「今のが城の入り口じゃないのか?」
サミエル「ええ違うわよ。領主の居城だからね。さっきのが城門ね」
クリス「えっ?、さっきのが城門なんですか?、僕は街に入るときに見たのが城門かと思ってました」
セリシア「クリス君この間、ここに来たんじゃないの?」
クリス「いえ、それが‥‥‥‥、前回、僕は城門にある執務室で領主に会いましたので」
サミエル「ああ~なるほどね~。それで変な誤解してたのか、因みに城塞都市ベルゲンやこの西城ワイゲンのような外壁のある街は珍しいのよ」
納得である。
サミエル「因みに、海外のお城もそうだけど、城塞都市ベルゲンのような、街を城壁で囲った城は、非常に少ないのよ」
クリス「えっ?、そうなんですか」
サミエル「そうよ。そもそもここはゲームの世界なんだし、色々とご都合主義な所はあるからね~」
クリス「‥‥‥‥‥なるほど」
妙に納得出来た事だった。
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領主の居城は、クリスが思うような大きな城では無かった。
日本の城で言う本丸のように、居住に使われてるようで、城自体はこじんまりとした小城だ。
N・兵士「失礼致します!、閣下に、例の商人が来たとお伝えを」
N・執事「はっ、お聞きしております。ご苦労でした」
サミエル「クリス君は知ってたかしら?、貴族家に仕えてる執事は、城の仕事以外にも、領地の内向きの仕事を任せられてるわ。所謂家令とか、執政官って役割があるのよ」
クリス「へえ~、流石は姐さん博識ですね~、ただ執事って聞くと、僕はどうもドラマのイメージしかないですよ~」
セリシア「だよね~」
《執務室》
バローゼ公爵『入れ』
N・執事『失礼致します旦那様、例の商人達が参りました』
公爵『フム、お前の目から見ていかがであったか?』
N・執事『いや、その‥‥‥‥』
言葉を濁してしまう
公爵『フフフ、思った以上に見た目に困る面々か?』
N・執事『はっ、冒険者には見えないメンバーではありますな~』
公爵『ほほ~う、お前ほどの男を困らせるか、これは会うのが楽しみだ。娘に‥‥‥サニアに支度を急がせよ』
N・執事『仰せのままに‥‥‥』
執事が退室したのを確認して、バローゼ・ロード・ワイゲン公爵は厳めしく眉間に皺を刻む。
公爵『果たして娘を狙うた者は、何者であるのだ?』