娼館の攻防Ⅰ
呪われていた娘を助けたら。いきなりサイモン・グリンバーレと名乗った。
どうも北大陸にある国の貴族だったそうだ。
元軍人貴族であり、将軍の地位に座ったこともあるそうだね~。へえ~って感じですよ。
ローサ「あっ、あの、ローサです!」
もじもじサイモンの後ろに隠れた少女、見たところジャンヌよりも下に見えた。
サイモン「所で、先程みなが叫んでいた『ダルク』とはいったい?」
厳つい顔立ちのサイモンと、娘は似てもにつかない可憐な顔立ちをしているローサに。
せっつかれ『ダルク』について話した。
サイモン親子「「おお~!」」
キラキラした目に見詰められ、クリスは戸惑った。
サイモン「クリス殿!、ワシは感動したぞ是非とも『ダルク』の力になろうぞ」
ローサ「わっ、私も力になります!」
可愛らしく、小さくガッツポーズとったローサに。
クリス「はっ、はあ~」
何だか元気な親子は、ブンブン手を振りながら、走っていった。
クリス「呪いの効果恐るべし‥‥‥‥」
呪いと言えば、王墓のダンジョン。まさか呪いが通貨代わりに使える設定は面白かった。
クリス「王墓のダンジョンはイベントだからあれだが、墓守りの村は行けるかも、今度確かめとくか?」
まあ~、外町の冒険者ギルドで聞けば分かるから、イベントの日にでも聞けば良いだろ。
☆☆☆☆☆☆☆☆
《リヨンの館》
何とも言えない。空気が流れていた。
クリス「淫らなと言うか、所謂あれだよな?」
僕も九州の男だ。
そらエッチなことに興味あるさ、でもうちのクランぶっちゃけ僕意外は女の子だけだから、内緒だけどね~。
人気が無いのを良いことにクリスは気楽に歩き回る。
マダムリヨン「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥あら?」
角を曲がるなりバッタリと顔を見合わせる。
クリスの目は、薄衣からはみ出さんばかりの胸元に釘つけになるも。
慌てて顔を背けた。
マダムリヨン「うふふ、あらあら可愛らしいお客様ですわね」
マダムリヨンにとって、クリスの反応は実に可愛らしい物だった。
相手がゲームの世界の住民でも、色々と気を付けないとなと思うクリスだった。
どうやらクリスがいるのは貧民街の中にある比較的安全な場所であり、マップを見る限り中立地帯である歓楽街のようだ。
マダムリヨン「こんなに早く来たようだけど。お客様では無いようね?」
クリス「あっ、はい僕はクランクリスタル商会のクランマスターのクリスと申します」
マダムリヨン「へえ~もしかして噂の異界の旅人かしら」
クリス「はい、此方だと『ダルク』のクリスと言えば分かりやすいですか?」