分断パーティA
「あっ、熊兄さん」
「にゃにゃにゃ大変なのにゃ」
残されたミイーとヨッシーは暫く立ち尽くしていた。
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突然のことに頭真っ白になっていたが、直ぐにウータンの無事を確認した。うん大丈夫そうだ。部屋の中央を見るとアンビャス君がいた。
直ぐにアンビャス君に声をかける。
「━━━ん。うっううお父さん、まだ眠いよ~」
何だか寝惚けたことを呟いていた。
思わずムカッと来たので、軽くどつく。
「いっ、痛いよ。お父さ………ん?、あれ………、お兄さん、誰?」
ようやく目を覚ましたようだ。
「アンビャス君だね。僕たちは行方不明の君を探すように。お父さんから頼まれた冒険者なんだが……、覚えてるかな、ウルフに追われて林の奥に逃げたこと」
「!、あっ、はい」
ようやく自分の置かれた状況を思い出したようだ。
「でも、ここはいったい?」
1『どこか分からないよ』
2『図書館にあった魔方陣覚えてるかな』
ん。いきなりだな、しかも2択とかありかよ。
「ウータン、ウータンほれしゃっきりしろ」
「……ん?、あれお兄さん……、あっそうだった」
「それは後。選択肢が出たから選んでくれ」
「えっ?選択肢が、だって中ボスが出そうで」
困惑してるようだ。確かに僕だって戸惑っていた。だって掲示板にあった情報では、こんなに長くなるなんて思っても居なかったからだ。
ひとまず落ち着いたウータンに、先程アンビャス君を起こしたら。選択肢が現れたことを伝えた。
「あっなるほど」
「これってさ、今気付いたんだけど。交互に選択肢を出すパターンじゃないかな」
僕は少ないスマホゲーム経験でも、似たような経験があっただから直ぐに思い出したのだけどVRだと、ショックの方が強かったようで頭が働かなかったようだ。
「あっなるほど~」
2『図書館にあった魔方陣覚えてるかな?』
「あっはい覚えてます」
「魔方陣の真ん中で、アンビャス君が倒れていてね、彼女ウータンが君を助けようと。魔方陣に入ったら急に光輝いて、気が付いたらここにいるってことだ」
なるほどと頷いた。僕たちの言ってることを理解してるようだ。頭は良いのか、利発なのかは分からない。
「僕たちは四人で来ていてね。魔方陣のトラップに嵌まって、仲間と離れ離れになってるんだ。此処まではいいね」
「あっはい」
1『一緒に行こうか』
2『ここで待っててくれないか』
再び選択肢が出ていた。これはどういうことだろう?、パーティが離れ離れになった場合は。普通交互に選択肢が出てる筈だ。てことは向こうで選択されたってことかな?