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続・野良パーティ6



 僕が選んだのは……、


「僕には分からないよ」


素直に言うと。何故だか剣は嬉しそうにしてると感じた。


『ほほ~う。なかなか見所あるな、よしよしお前と契約してやろう、我に触れるといい』


 僕は、少しだけ不安になった。けど何となくこの時の僕は、悪いことが起きることはない気がした。

 だから好奇心のままに祭壇にある剣に触れていた。



「ウワアアアアアアアア!」


 昼間のように剣が急に光輝いていて。僕は目が眩んだ。慌てて目を瞑っていた。


『宿主の能力の最適化を開始します』






「あれ……、なんだか急に眠く……」


 アンビャスは意識を失っていた。



 祭壇にある豪奢な剣は、ゆっくりと明滅を繰り返していたが、宝玉の光は消えていた。するとゆっくりと剣は宙に浮いていた。



━━アンビャスの体の中に。意思を持った剣は、ゆっくりと沈み始めた。


『新たなる宿主よ。貴方の未来が良きものであらんことを祈っているぞ』


 先程までの尊大な物言いが消え失せていた。剣は柔らかく優しさを含むように、幾度かうっすらと光輝くも。やがて剣の宝玉は、神々しいまでの銀色に変わっていた。



これこそ神代の時代。ある偉大な賢者の意思を宿した、稀有な宿主と一緒に成長する剣である。やがて剣は少年の中に消え失せていた。





 



静寂が訪れた。



このまま少年が目覚めるまで何も起こらないかに思えた。



 小さな鳴動が、連続で始まった。





◇◇◇◇◇◇◇◇




「なっなんか揺れてます」


 うん確かに揺れているね。


「そうかなあんまり感じないけど」


それは物理的にね……、


「………熊兄さん」


「ん。どうしたのかな」


急に声音を低めたウータンが、眉ねを寄せていた。


「なんだろう、いま一瞬イラッてしたんだよね」


おっ、幼くても女の子は女の子か。やたらと勘が良さげな気がするよ。あんまり変なことは考えないようにしとこう。



「今のでメインストーリーは全部終わりかな」


「だとしたら。中ボス出るよ」


「私は何時でも大丈夫にゃ」


三人に頷いて、僕たちはビックリマークの見える扉に触れていた。











 四人が中に入ると物語で見たように。沢山の本があったが、地震のような鳴動が続いたために本は次々と落下していた。


「うわあっぷ、ケホケホ埃を吸っちゃたわ」


「うにゃ~毛が白くなりそうにゃ」


「うっうっ鼻が出そうです」


「あっ、真ん中の方には埃が飛んでないね」


「「「熊兄さん。急ぐ」です」にゃ」


三人に引きずられように。四人が真ん中に向かうと祭壇が見えた。


「あっアンビャス君発見です」


ウータンがアンビャス君の元で無防備に、魔方陣を踏んだ瞬間だ。


「あっ、危ない」


咄嗟にウータンの腕を掴んでいた。


「あっ、熊━━━」


ミイーとヨッシーが何か言う前に、僕とウータンは転移させられていた。


『うわあ~パーティ分断とかありかよ』


茫然とした僕たちは、光に包まれていた。

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