もしかしなくても赤は敵対地区かな
N・破落戸『『『『『逃がすな!』』』』』
クリス「うげっ、ココナ行くぞ」
ココナ「はいなの!」
しっかりとココナを背負いクリスは走り出した。
N・破落戸『『『『『待ちやがれ!』』』』』
破落戸達の怒声が路地に響き渡る。
ココナ「パパ、頑張るなの!」
クリス「パパじゃない。お兄さんか、お兄ちゃんだよ!」
そう叫ぶように力んだら、体が自然に動いた。
どうやら体術のレベルが上がったようだ。
クリス「【肘打ち】【打撃】【蹴り】」
N・破落戸『『『がはっ』』』
N・破落戸『『よっ、よくもやりやがったな!、兄貴、兄貴!、仲間がやられた。仇を討ってください』』
子分の破落戸達を倒してたら、いきなり叫びたしたんだけど。
ドガン!
走るクリスの前方にあるあばら屋の扉が、内から吹き飛んできた。
クリス「‥‥‥‥危な」
クリスの真横を破壊された扉が通過した。
N・兄貴『ガアアアア!、うるせ~な~、てめえら何をはしゃいでやがる』
ミシミシミシ、バガン!
あばら屋を破壊して、ザンバラ髪の巨人。
一瞬そう見える程の大男が、鉄棒担いで現れた。
クリス「あれはフロアボスとか、中ボス扱いの破落戸かな?」
N・兄貴「ちっ、面倒な、俺様は拐った女と宜しくやってたのによ」
見れば、あばら屋の中に白い足が見えていた。
クリス「‥‥‥‥へえ~」
これはあくまでもゲームだと。
僕は理解している。いやしていた。
クリス「僕はこういうの許せない性格だったんだね。初めて知ったよ」
N・兄貴「へっ、何をごちゃごちゃ言ってやがる」
ドガン!
あばら屋の壁を鉄棒で破壊する。
N・兄貴「てめえはここで、死ぬんだよ!」
あばら屋が今にも崩れてしまいそうだ。
イラっ‥‥‥‥
何だか無性に腹正しい。
クリス「ココナ、少しだけ離れてくれるかな?」
ココナ「なの!」
ココナは空気の詠める子である。
素直にクリスから少しだけ離れた。
クリス「ふう~」
首をコキコキ解しながら、やや膝を落とす。
視線は、大男の全身を俯瞰的に見る。
クリスには、格闘技の経験はない。
中学の三年間の間に、授業で柔道をやった位だ。
だけどね。サッカーは7年近くやって来た。
そのせいか人が、前にいるとつい癖で、その人がどう動くのかな?、どちらの足を出して、腕は、視線は、何てことを無意識に考えていしまう。
ある意味サッカー少年ならば、仕方ないのかも知れないけどね。
N・兄貴「死ねや、おら!」
鉄棒を無造作に振るってきた。
(右足が出た。ならば腕は、この方向に伸びてくる)
鉄棒は見ない。大男の肩の動きを見ながら、紙一重でかわしていた。