続・野良パーティ4
新しい続きの物語をみた僕たちは、街道沿いの林に入った。
「熊兄さん、声が聞こえるよ」
ウサミミを動かして、ウータンが指した方に。獣人が数人見えた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
「街道から来たようだな済まない。君達は冒険者だろう、薬草の余剰分があれば分けて欲しい」
『獣人族と仲良くなって、迷子の子のはなしを聞き出せ』
メインストリーだからか、やたらと親切設定だ。
「熊兄さん」
ヨッシーが何を言いたいか、何となく分かった。
「使ってない、微回復薬があるからそれでいいかな」
「助かります」
犬の獣人だろうか、ゴツイ男ばかりであれだが、ケモナーのウータン達はキラキラした目を、獣人達の垂れ耳と尻尾に向けていた。
「ああ~ゴホン、先程からそちらの御仁、何やら悩み事がありそうだな。僕等で手伝えるなら話を聞くが」
見た目は20代後半か、30代前半の犬族の男は、不安そうな顔で辺りを伺っていた。
僕の問いかけに弾かれたように顔を上げて、
「実は…………」
ロアビスの息子アンビャスが、ウルフを撃退してる間に。行方不明になったことを聞いた。
『迷子のアンビャスを探せ』
これで正式にクエストを受けた事になった。この辺りは冒険者ギルドで受けてるのに。謎設定だった。
「ロアビスさんアンビャス君のことは僕たちに任せて下さい」
「済まない」
どうやらロアビスさんは集落の戦士の纏め役だったようだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
僕たちは犬族の男達と別れ、林の奥に入っていった。
何れくらい歩いたか、ようやくビックリマークを発見した。
「熊兄さん」
ミイーの緊張する声音に頷いてから。僕が先頭になって灌木を押し分けながら入ってくと。
物語で見た通り、隠された洞窟があった。
「ここからですね」
メインストーリーとなるとどうなるか、僕もわくわくしながらビックリマークにたどり着いた。
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僕は緊張しながら、扉に手を触れると。扉は淡く輝き。静かに扉は開いていた。
「……………」
魔法の扉?
「何があるんだろう」
不安と好奇心に揺れながら、僕は部屋の中に入って行った。
部屋の中は広く。古い沢山の本が仕舞われていた。数えるのもバカらしい程の本棚が一杯あった。
まるで町にある噂の図書館みたいだね。僕は最初の冒険心が萎むのを感じながら、部屋の中を見て回る事にした。
幾つもの本の数々。僕は勉強が苦手だから、いまいち分からないけどね。ナルミちゃんなら喜びそうだよ。
やがて部屋の中心にある魔方陣と祭壇があった。何故魔方陣があるのか僕は考えもしなかった。ただ祭壇に飾られていた。一本の宝剣に見惚れていた。
「格好いい!?」
あんな格好いい宝剣が僕のだったら、集落のみんなはなんて言うかな。なんだかそれがとても良いことのように思えた。
「よし、触ってみよう」
このときの僕は、まさかあんなことになるなんて思いもしなかった。