突撃ビックラビット
突撃ビックラビット『うさびっと!』
ドスドス重そうな音をさせながら馬車に向けて突っ込んできた。
サミエル「私が最初に受け止めるわ」
ミィー「殴る」
クリス「薙ぎ払い使います」
ウータン「セリシアさんと弓で狙います」
セリシア「任せといて」
ヨッシー「注意を引くにゃ」
パーティの役割を決めていたが、皆で確認した。
サミエル「行くわよ!『鉄壁』『重量増加』アビリティ『城壁』」
ガツン!
サミエル姐さんは、自分がスッポリ包むような大きめのカイトシールドを荒れ地に叩き付けた。
ガイイン!
突撃ビックラビットの体当たりを。サミエル姐さんは真っ正面から受け止めていた。
ミィー「やあ~、おりゃ、はあ!」
ミィーは突撃ビックラビットの側面に回り込んだ。
『正拳』『蹴り』『回し蹴り』の三連コンボ。
突撃ビックラビット『うっ、うさび‥‥‥‥っと‥‥‥』
サミエル「ぴよったわ」
クリス「『薙ぎ払い』」
突撃ビックラビットは後ろにぶっ飛んだ。
セリシア、ウータンが弓で狙い打ち。サミエルが盾を相手にぶちかます『チージ』を決める。
クリス「HPは残り少し今ならいけるんじゃないか」
ウータン「りょ、了解!」
ウータンが慌ただしく突撃ビックラビットに近寄り、獣魔契約魔法を使っていた。
緊張の一瞬、思わず息を飲んで見守っていた。
突撃ビックラビット「うっ‥‥‥‥‥うさびっと?」
パチクリつぶらな瞳でじっとウータンを不思議そうな顔で見ていた。
ウータン「私と契約してくれる?」
突撃ビックラビット「うさびっと!」
ウータン「よし!」
ヨッシー「ウータン、ウータン名前」
ミィー「候補たくさんあるよ?」
どうやら三人は、従魔の名前を考えてたようだ。
サミエル「こうなると長そうね。貴女達馬車に乗りなさい」
「「「あっ、はあ~い」」」
馬車に乗った皆はクリスのことすっかり忘れて、新しく仲間になった従魔の名前を巡ってかしましくも愉しげに話し合ってるようだ。
クリス「まあ~良いけどね」
クランたった一人の男のプレイヤーである。
こう言うときの疎外感は半端ない。
クリス「もうそろそろ‥‥‥‥、僕以外の男のプレイヤーの仲間が欲しいかな~」
染々思うクリスなのでした。
クリス「まあ~。姐さん達のお眼鏡に叶うプレイヤーじゃないと難しそうだけどね」