あっ暴れ牛が暴走している
ブモ~、ブモ~!
遠目にも凄まじい砂煙がもうもうと上がり、鳴き声が聞こえてきた。
地面が揺れてるような地響きを感じた気がした。
恐らく数百にも及ぶ暴れ牛が、馬車に目掛けて迫っているのが分かった。
サミエル「これってまさかさっきの‥‥‥‥」
セリシア「あちゃ~、擦り付けられたわね」
「「「さっきの急いでたNPC冒険者パーティ!」」」
そうついさっきのこと目付きの悪い男女四人のNPC冒険者パーティが、此方を見付けるや否や、わざわざ近寄ってきて何か皮の袋を投げつけてそのまま走り去ったんだ。
ウータン「なっ、なんの臭い!、くさっ、臭いですお兄さん」
ヨッシー「があ~鼻が曲がるにゃ~」
ミィー「きゅう~」
サミエル「なっ、何よこれ、臭い!、なんて酷い臭いなの」
セリシア「臭い!、あっ、これってまさか?」
セリシア姐さんは何やら焦った顔をしていた。
【クリスは暴れ牛の群れを倒した】
報酬
・『ロース×30』
・『バラ肉×40』
・『ランプ×1』
・『ヒレ×20』
・『モモ肉×54』
最初の衝突を職業スキルで防いだら。暴れ牛の群れを倒すのは難しく無かった。
サミエル「‥‥‥‥一時はどうなるかと思ったけど、クリス君の職業スキルに助けられたわね」
セリシア「さっきのNPC冒険者が私達の馬車に投げたアイテムだけど『魔物寄せ』だわ」
クリス「『魔物寄せ』ってあの‥‥‥‥」
冒険者ギルドで買えるアイテムだ。
確か‥‥‥‥
・『魔物寄せ』200ゴールド
だった筈だ。
しかも効果は微妙だったよね?
※低レベルのモンスターを集めやすくなるかも‥‥‥‥
気休めアイテムである。
クリス「それにしては効果が凄かった気がしましたよね?」
ウータン「臭すぎました」
ヨッシー「まだ臭いきがするにゃ~」
ミィー「‥‥‥‥最悪でした」
みんなの気持ちもよくわかる。生活魔法を使ったのに、まだ臭い気がした。
セリシア「クリス君、私が普段付けてる上級職覚えてるわよね?」
クリス「えーと【上級錬金術師】ですか‥‥‥あっ、『魔物寄せ』も錬金アイテムでしたか」
セリシア「正解よ。因みに職業スキルに『薬師』『錬金術師』になると【アイテム鑑定】ってスキルが使えるようになるの」
サミエル「私の【上級鍛冶師】『鍛冶師』には【鉱石鑑定】があるわよ」
クリス「えーと姐さん達『鑑定』とはどう違うんですか」
セリシア「う~ん、まあ話しても言いかな、多分皆にはあんまり関係が無いんだけどね~」