続・緊急クエスト少女を、屋敷に届けよう2
市民が住まう街から、貴族の住まいは内壁によって区別されていた。
騎士A「止まれ!、貴族街になに用だ」
サニア「お務めご苦労様ですわ」
馬車から顔をだしたサニアに、ちょと驚く騎士達。
騎士隊長「これはサニア様‥‥‥‥」
眼光鋭くクリスを睨む。
サニア「クリス様は助けて頂きましたの」
騎士隊長「それは‥‥‥‥そちらの商人はいったい?」
サニア「大変珍しい宝石獣の契約者で(異界の冒険者様のようですわ)」
騎士隊長「なんと‥‥‥‥」
サニア「家に伝令をお願い致しますわ」
騎士隊長「ハッ直ちに」
一人が華麗に馬に乗り込むや、矢のように駆けていった。
サニア「私はこの馬車で向かいます。誰か先導をお願い致します」
騎士隊長「はっ」
騎士A「我の後を付いてくるのだ」
あれよあれよと言う間に、クリスは貴族街に入れることになったようだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆
貴族街と一口に言っても広大だ。王都の中町並みに広く、また小さな森林公園があって屋敷を隔ててるような造りであった。
騎士は迷いなく森林公園を抜けていく。
城に近い屋敷のようだ。
段々城に近付いていたが楽観的に考えていた。
クリス「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥マジか」
まんま城に案内されるとは考えもしなかった。
サニア「クリス様、改めてサニア・ロード・ワイゲンと申します。この度は助けて頂き感謝致しますわ」
にっこりと悪戯成功。そんな猫のような眼を見てしまい。目眩を感じた。
サニア「さあクリス様、御父様が御待ちですわ」
どうやら逃げることも出来ないようだ。
クリス「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥マジか」
頭を抱えてのたうち回りたい気持ちであるクリスだった。
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ひたすらハイソな、空気すら香りから違って感じた。
思わず鑑定の魔眼をONにしてみた。
クリス「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥うわぁ~」
鑑定したこと後悔したクリスだった。
【エンシェントドワーフ作の壺4000万ゴールド】
【聖樹のテーブル5000万ゴールド】
【白磁器のティーカップセット500万ゴールド】
【ロイヤルガーデンのローズヒップ茶10000ゴールド】
クリス「お茶が一杯10000ゴールドとか、流石は公爵家」
庶民であるクリスには縁がない生活だ。
クリス「伯父さんのラバンドさん、クラリッサさん家はそれなりに裕福だけど。セレナ姉さんはセレブだし部屋に飾ってる絵とかこのくらいはするかな」
そんな寛げない場所に一人で待たされながら。慣れた手つきでローズヒップの香りをじっくり楽しみ、一口啜りソーサーに戻した。
NPC影「ふむ、所作は庶民であるが、紅茶に慣れた者か異界の冒険者と姫様は言ういていたが、それなりな家の出であろうな」
庶民にはない知性を佇まいから感じられたからだ。
NPC影「おお~、あれが宝石獣か実に美しい」
影の見張る先に、腕輪が勝手に宝石獣となり、部屋で寛いでいるのが見えた。
「うにゃ~お~ん♪」
久し振りに暇そうな主に構って貰おうとクリスの膝にライドオン。
クリス「おっ、珍しいな最近はココナがいるから構って無かったからな」
「ゴロゴロ」
クリスに甘えてくるミズリー、実に可愛らしい仕草であった。