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続・緊急クエスト、少女を屋敷に届けよう



 裏町から抜け出した途端、人通りの多い大通りに出た。


クリス「どうやら裏町までしか、闇ギルド関係者は出て来ないようだ‥‥‥」


西城ワイゲンは裏と表の差が激しいようだ。


クリス「ある意味、この街はプレイヤーの楽園なんだろうな、はあ~」


この先のこと考えると憂鬱になる。


サニアと名乗った少女が馬車から物珍しげに、御者台に上がってきた。


サニア「この度は助けて頂き感謝致しますわ」


少女の話では、屋敷の自室から誘拐されたとのこと。


誰か手引きした者がいた可能性があるようだ。


サニア「そうだクリス様、宜しければ我が家の御用商人の鑑札を授けて頂けるようにお父様にお願い致しますけど、どうなさいますか?」


クリス「えっ、要らないですよ~、俺のギルドは国外の交易鑑札と王都に店を出す許可証を貰ってますから」


サニア「あら?そうなんですの、お若いのに優秀なんですね」


コロコロと何が楽しいのか笑っていた。


この時クリスはまるで気付いていないが、NPC貴族には幾つか隠しパラメーターがあって、プレイヤーと会話することでパラメータが変化することに。


(誘拐されてたからか、大通りに出て安心したんだろうな)


サニアは良く喋り、愉しげに笑みを浮かべてはあれこれクリスのこと訪ねていた。


サニア「では、クリス様のクランメンバーは女性ばかりなんですの?」


クリス「ええ、今日の夜に集合して王都を目指します」


サニア「それはそれは(好都合ですわ)それにしてもこの馬車、揺れが少なくて素晴らしいですわね」


クリス「‥‥‥‥そうなのか?」


 普通のNPC民や農家が使う馬車、荷馬車は壊れやすくガタガタと揺れる物だ。


貴族の使う馬車は其なりに高価で作りもしっかりしてるが、課金した馬車に比べれば天と地ほどの差があった。


クリス「そう言えば‥‥‥‥うちの商会に勤める商隊がやたらと興奮してたな」


あれはそう言う意味だったのか、やたらとクリスタル商会に勤められた感謝をとか言われて意味が分からなかったのだ。


クリス「イベントが終われば課金チケット手に入るし。あっ武器レアチケットも回さないと。運営がガチャ出すだろうからそれから回そうか、また馬車と馬が増えるかな?」


サニア「!」


いきなりガシリとクリスの腕を掴んだサニア。


クリス「どどどどうかした?」


やたらと真剣なサニアの顔には、笑みが消えていた。


サニア「もしもこのような馬車がまた手に入るようなら是非とも我が家に御持ち下さいね」


クリス「あっ、はい」


そうとしか言えないよ。何だか獲物を狙う肉食獣に睨まれる気持ちであった。





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