オークリーダー
『ブォオオオオオオ!』
怒りで真っ赤な顔をした。オークリーダーは巨大な石のこん棒を振り回し、当たるを幸いに岩に当てて飛ばしてきた。
サミエル「ちょ!」
セリシア「いやいや危ない」
「「「きゃあ~」」」
右往左往するメンバーの前にクリスの馬車が立ちはだかる。
ガンガン凄い大きな岩が当たるが、ダメージは受けなくなった。
サミエル「うわぁ~クリス君大活躍ね」
セリシア「いや~、【武装商人】意外と使える職業かも」
幼女な老女の二人は、面白そうに笑っていた。ある意味黒い笑みであった。
そんな幼女な老女とは違って、クリスは内心非常に焦っていた。
馬車や馬にダメージはないのだが、商人ならではのダメージを受けていた。
今まで馬車や船を使った攻撃方法があることも、使おうとも考えて無かったから、そんな穴があるとは考えもしなかったクリス。
(いや~。ゴールドが、ゴールドが、みるみる減っていく)
職業スキルはそれぞれ何らかのリスクが存在したが、上級職業のスキルは強力な分。
リスクも高いようだ。
『ブォオオオオオオ!』
ようやく無差別級攻撃が終わった。
クリスの所持ゴールドも終わりそうだった。
『ブォオオオオオオ!』
オークリーダーは巨大な石のこん棒を振り上げ崖から跳んだ。
サミエル「クリス君防いで!」
クリス「‥‥‥‥‥‥‥‥はい」
クリスのテンションだだ下がりなのに気付いたセリシアは、首を傾げたがひとまずボスの方が大切だと忘れてしまう。
『ブォオオオオオオ!』
オークリーダーが雄叫びを上げながら。豪華な馬車に巨大な石のこん棒を振り落とす。
ガガガガコン!、
凄まじい衝突音を響かせ。豪華な馬車の下がひび割れ沈む効果は絵的にも恐ろしい。
チャリン‥‥‥。
もの悲しい音が耳に残る。
パリン、いきなり豪華な馬車が消え去り、クリスだけが残され地面に膝を着いて項垂れていた。
ついに所持ゴールドが無くなったのだ。
何だか悲壮感漂うクリスに、皆が戸惑っていた。
いったい何がクリスの身の上に起こったのか、周りには分からず戸惑っていた。
サミエル「くっ。クリス君どうしたの?」
クリス「‥‥‥‥が、‥‥‥‥‥‥ました」
サミエル「えっ?、何が無くなったって?」
クリス「所持ゴールドが、無くなりました」
サミエル「‥‥‥‥ああ!」
ここに来てようやくクリスの様子が暗かった理由に気付いた。