私ココナ!
ようやくね。
白兎が納得してくれたようだ。
ひと安心である。
クリス「白兎‥‥‥‥」
ココナ「(プイ)」
クリス「ココナは‥‥‥」
ココナ「はいなの!、ココナはパパの娘なの!」
いきなり抱き着いてきたココナは、自分の臭いを擦り付けるように。クリスのお腹に頭をグリグリしてきた。
(‥‥‥‥‥娘?、娘か‥‥‥‥‥‥)
クリスは何とも言えない。胸の疼きを感じた。
クリス「はあ~。ココナ、パパではなく、お兄ちゃんなら良いよ」
やっぱり年齢的に。パパと呼ばれるのはキツい年頃のクリスであった。
ココナ「むう‥‥‥、パパはパパなの!」
一歩も引かない白兎に、クリスもたじたじであった。
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クランクエストを終えたクリスは、引っ付いて離れない白兎ことココナを肩車しながらクランハウスに戻った。
取り合えず。パパ呼びは停戦中である。
やれやれ‥‥‥‥
子供って、難しいよ。
しみじみゲーム以外のことで悩む10代であった。
ミィー「あっ、お兄さん、ココナちゃんお帰りなさ~い」
ココナ「ミィーお姉ちゃんただいまなの!」
クリスに肩車されながらはしゃいでいた。
ミィーもそれを見て頬を緩ませていた。
クリスは渋い顔をしていたが、ある意味イージーでは無いだろうか。
クリス「今クランに居るの、ミィーだけなのかな?」
ミィー「あっ、はい!、みんなはプライベートエリアですです」
クリス「ココナ。ココナは皆にちゃんとご挨拶出来るかな?」
ココナ「出来るもん!」
クリス「そうか、お兄ちゃんはそろそろ戻るから。また遊ぼうな」
ココナ「‥‥‥‥分かった‥‥‥」
ココナを肩から下ろして、目線を会わせながら言うと渋々頷いた。
クリス「悪いな、そろそろリアルに戻るよ」
ミィー「了解でーすお兄さん」
後は皆に任せて、僕は夕飯に戻らないとね。
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エンドアースからログアウトした。
栗栖「うし、夕飯食べたら少し勉強しないとな」
夏休みに入ったら計画的に宿題を終わらせなければならないから。
勉強が終わったら、時間割りを考える必要があった。
栗栖「あの二人が来ることだし、早めに宿題を終わらせないと、大変なことになるからね」
栗栖の経験則から、混ぜたら危険な親戚二人と妹のベッキーの組み合わせは最悪だ。
食欲魔神のベッキーと甘味の悪魔ターニャ。
栗栖「僕の良心は、ドミニクだけだね‥‥‥‥‥」
遠い目をした栗栖だった。