閑話・とある少女の『ダンジョン』
受付嬢「承知しました。それでは最初のクエストである『チュートリアル』を受けますか」
『初めてのクエストチュートリアル』
yes/NO
(取り合えずやってみましょう)
yesをタップした瞬間。
意識が切り替わり空白の空間に移動していた。
★★★★★★★★
一通りチュートリアルを行ったことで、イシルの戦闘が通常とは異なることが分かった。
イシル『私の戦闘方法は、‥‥‥‥‥かなり異質でね。職業『アイドル』が関係あるのかしら?』
ちょっとした疑問である。
イシルの戦闘方法は、ユニークスキルとの相性が非常にマッチしていた。
ユニークスキル『魅了』を歌に合わせるだけで、モンスターが混乱、錯乱、眠らせたりと自在に行える事が分かった。
イシル『職業的に。多数の敵の方が相性が良いのよね~、個人戦闘能力が低いのが、ある意味難点ね』
そこは仲間を見付けてくしか、手段は無さそうだ。
イシル『‥‥‥それか、魔物使いとかかしらね?、魔物やモンスターはいくらでもいるし。それに類似する職業に就くしかないかしら~』
案外悪くない選択である。
イシル『受付嬢の話だと初心者ダンジョンに潜れるようだし、冒険者を雇えるようですし。一度ダンジョンに潜ってみてから考えましょう!』
ゲーム初心者のイシルは、実に気楽そうな笑みを浮かべていた。
受付で課金したイシルは、ランクC冒険者パーティを雇う事にした。
意気揚々と初のダンジョンに出掛けて行った。
それからリアル時間で6時間、
エンドアースでは一日の時間である。
ワールドアナウンスが流れた。
『ログイン初日に。レベル20に達したプレイヤーに、姫の称号を与えました』
リッチ『へえ~凄いね。まだ始まったばかりなのにね』
そう呟いたリッチこそレベル12になっていた。
リッチ『もう少しでお前も進化出来そうだね』
魔狼「わふ!」
主であるリッチに誉められて、とても嬉しそうに尾っぽを振るうシーバス、
同じ従魔でありたまたまシーバスの後ろを歩いていた。山猫の顔に当たり、
非常に迷惑そうな顔をしていた。
山猫「‥‥‥‥‥‥‥‥」
リッチ『さあ~みんな!、行くよ』
バンパイアハーフの陽気な青年リッチと。
人魚の歌姫イシルが出会うまで、まだもう少しの時間が必要なようだ。