料理ギルド
露店・屋台通りを歩くついでに。幾つか屋台飯を購入して、空腹バーを回復させといた。
何時もの場所には、ドワーフな幼女サミエル姐さんが待っていた。
「おはよう?クリス」
「おはよう姐さん、なんで挨拶が疑問なんだよ」
「ああ~、いや、悪い悪い。あれだよ。最近私ってばエンドアースでは朝でも、リアルだと夕方か夜だな~とか考えてるのよ」
「あっナル~、僕は一応学生なんで、休み以外はこんな感じです」
「あっ、そうなんだね。意外とマジメなんだね」
「はあ~、まあ~、一応は両親に心配かけない程度には」
「あははは、うんう。感心感心、じゃ早速」
サミエル姐さんからトレードの申し込みがあった。ビックボアの革鎧の加工賃で、持ち金の半分が消えていた。ゴールドも貯めてかないとな染々思った。
◇◇◇◇◇◇◇◇
姐さんと別れた僕は、始まりの街のマップを広げた。料理ギルドがあるのは、街の西側、街の中心にある転移の門を経由する方が近いので、近道をした。
「西側ってあんまり来ないけど、大きな店が多いな」
所謂商家だろうか、リアルで言う問屋通りを歩く感じか、冒険者はほとんどいない。NPCばかりであった。
しばらく歩いていると。特徴的な建物があった。
「伊勢海老のデカイのが動いてる」
カニ〇楽ぽい?かな、的な看板がデカデカとあって、料理ギルドの建物はあった。
「いらっしゃいませ」
中に入ると。予想外なことに普通だった。
「あら異界の冒険者様でしたか?」
受付の女性はたおやかに微笑んでいた。
「ええそうです、よくわかりましたね」
「それは分かりやすいので、私ども料理ギルドに入ると大抵の人は普通だと言うか、何でやねんとか言い出す人が多いので」
何故だか急に恥ずかしくなった。僕も似たこと思ってたからだ。
「それはそうとどういった御用でしょうか」
「あっはい。雑貨屋のマレンダさんに聞いたんですが、釣った魚を買いとって貰えるとか」
「まあ~魚ですか。確かに買い取り可能です。失礼ですが職業は」
「まだ『見習い漁師』でして」
「まあ~そうでしたか、それでは漁協ギルドには?」
「まだそこまでは」
「なるほどマレンダさんに聞いたのならば、知っておられると思いますが」
国営ギルドの税金の回収方法について教えて貰った。異界の冒険者、NPC冒険者は冒険者と言う仮の職業が与えられていること。
クエストと呼ばれる物にも税金が引かれた金額が、報酬になっていること。モンスタードロップも職業冒険者ならば、買い取りも1割アップすること。
ただし街や村では。魚や獲物の買い取りになると各ギルドがない場合は、持ち込まれたギルドに優先権が与えられていること。ただし買い取りも実際の7割程度で、売却金額から税金が引かれることを教えられた。
無駄にリアルなシステムだよな。半分げんなりしながらも買い取りをお願いした。
「これはこれは冒険者様は、なかなかの釣り師ですね。また機会がありましたらお願いします」
料理ギルド=31000ゴールド
持ち金が倍に増えたよ。しばらく釣りかな~。
BP増えるしさ。