メールが届いた
因幡の白兎とプライベートエリアで船に乗ったり、カラオケしたり楽しんだ時に。
運営からお知らせが届いた。
クリス「闘技場イベントもあるのか、フォトはイメージ出来なかったから、PVPなら分かりやすいか」
あっ、それから因幡の白兎の事で幾つか分かったことがあるんだ。
クランクエストだとクランの守護神だからか、クランメンバーに同行出来るようだ。
そのお陰で、因幡の白兎を頭に張り付け、城塞都市ガレンの町を連れて歩く事が出来たよ。
因幡の白兎「っ‥‥‥‥」
ウサミミピンと立てながら、嬉しそうに、鼻唄を歌っていた。
楽しそうで何よりだね。
クリス「今回のお知らせで、攻略組も参戦してきそうだ」
クリスの疑問は現実になっていた。
公式板は阿鼻叫喚の酷い有り様だった。
クランの板では大騒ぎになってるし。
大手の明星クランマスターが、地団駄を踏んでたなんて、アリス・リリステからこっそりメールが届いたりした。
ミドリ『クリス君~、『幻』属性ゲットしたよ~。今何処かな』
クリス「白兎、出掛けるから留守番宜しくね」
因幡の白兎「‥‥‥‥‥」
はしりと膝に抱きついて、おでこをグリグリ擦り付けてきた。
うん可愛いね。頭を撫でてから、転移の扉を使って相棒の島に移動してから
クリス『集落のクランハウスに居ます』
ミドリ『あっ、なら丁度良いわね、うちのクランハウスに招待するから、今から来なよ』
クリス「『了解でーす』っと」
メールを送り返した。
☆☆☆☆☆☆☆☆
クリスがクランハウスから出た。
クリス「ん?、プレイヤーがいない」
何時もはプレイヤーで賑わっていたのだが。
NPC達だけが働いていた。
クリス「あっ、みんな公式に行ってるのか?」
クリスの予想は当たっていた。少しでも情報を得に、中には運営会社のSNSまでチェックしたり、
海外のエンドアースの情報を集めてきたプレイヤーすらいたらしい。
他のクランハウスを訪れて、ハウスに入るには、クランマスターか、副マスターに招待されたプレイヤーだけになる。
出迎えてくれたNPC執事に案内されてリビングに入る。
クラン:ランクルバーンのリビングは、リーダーのアイコさんの趣味か、可愛らしい小物に溢れた物だった。
ミドリ「よく来てくれたわクリス君、早速だけど」
クリス「はいそうですね」
ミドリ以外のメンバーは居ないようだ。ならばと相棒の腕輪に触れて白龍を呼び出した。
白龍「がお~」
元気に吠えながら、クリスの身体に巻き付いて、頬にスリスリしていた。
ミドリ「あらなついてるのね、白狐おいで」
白狐「コ~ン」
どろんと真っ白い煙が漂い、煙の中から大型犬程の狐が現れた。
クリス「うわっ、綺麗な毛並みだね」
ミドリ「そうなの!、クリス君聞いてくれる~」
(あっ、これ聞いちゃいけないやつだ)
クリスの後悔は、身をもって痛感したのは言うまでもなかった。