川釣り
朝起きれない妹の代わりに。ラブリンの散歩に行ってきた。
「もう休みも少ししかないな………、後少しで高校が始まる」
楽しかったゲーム三昧な日々も後少しで終わる。地味に悲しい。
朝カレーとハムサラダを食べて。二時間勉強してから、ようやくエンドアースにログインした。
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「知ってる天井だ」
うにゃ~ん、胸元には何時ものように宝石獣が、甘えた声で首もとに頭を擦り付けてきた。
ミズリーとスキンシップを楽しみ。ついでにアパートの代金を二月分BPで前払いした。
残り189BP
イベント前に1000BPは稼ぎたいな。
「でもその前に。岩クロチを釣り上げてマレンダさんにあげよう」
何時もお世話になってるからな。とてもNPCとは思えなかった。色々考え、今日は罠を仕掛けるのと釣りを一日してみることにした、
それに川上にも釣り場はあったので、何かレア魚でも釣れるかもしれないし。
そう考えたら。たまには釣り三昧もいいかなと思えた。
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ここしばらく通ってる馴れた道。アルガンじいさんの小屋から程なく川に出たので。
川沿いに川上に歩いてく。
罠の仕掛けは、なるべく上流で仕掛けてみようと考えた。
まだ『見習い漁師』のためか、釣りやすい場所が分かるとか、直ぐに釣れるような職業スキルはないようだ。釣りスキルのレベルを上げるか、BPで上げるか迷う所だ。
釣りレベル1→5
BP149
うんまあ~仕方なかったんだよ多分。
何時も鉱石を採掘する場所に向かって、罠を仕掛けてから。源流の近くから見て回った。
「おっ、釣りスキルのレベル上げたからか、なんとなく釣りが出来る場所が増えたな……」
魚影探知、生物察知、ログが流れたBPのみでスキルが生えるタイプのスキルのようだ。
今のところ必要は無いかな。とりあえずと釣りを始めた。
ビッグ、ビクビクビクオイオイ当たりが早いな。投げて直ぐにヒットとか。これで釣りスキルレベルが5以上だとどうなるか……、最もそうそう5以上は上げにくい。いくらBPで上げられるとはいえ、6に上げるにはBP60必要に、なんでもレベル5までは頑張ればポイント使わなくても上がるらしいが、
スキルレベル5→6 BP60
6→7 BP70
7→8 BP80
8→9 BP90
9→10 BP100
スキルレベル10で終わりじゃないんだな~。さらに中級スキルがあるらしい。場所によるとレア魚、スーパー魚、レジェンド魚とか言うヌシもいるとかいないとか。エンドアースの世界を楽しむためには、自分にあったスキルもだが、BPがとにかく重要になっている。
「よし!」
釣り上げたのは50cm近い姫マスだった。胴体がミドリ色っぽいが、斑点が虹色に煌めく。ニジマスの上位種と鑑定に出た。
「よし次だな」
それから岩魚、香魚、ニジマス、赤ニジマス、姫マス、騎士マス等変わった魚も釣れた。
「そろそろ岩クロチ釣れないかな……」
グイグイ。急激に重い手応えがあった。
「重っ、ぐっかなり強いな」
竿が急激にシナル。こりゃ何が釣れたか分からないが、釣竿にも耐久値があるが、みるみる減ってるのが見えた。
「おいおい」
釣竿が折れるのが先か、釣れるのが先か、分が悪そうだが仕方なかった。どうにか獲物に合わせながら竿の耐久値が減るのを遅れさせる。
「そら、こっち、へっさっさと釣られろよ」
我も忘れて夢中で獲物を釣り上げることだけ考え。ただ無心で竿を操った。
何れくらい獲物と格闘していたのか、竿の耐久値が赤くなっていたのは理解していた。
「ぐっ、と………」
急に手応えが無くなり、力一杯竿を上げた瞬間。大きな魚影が空を飛んでいた。
『レア魚、キング岩クロチ』
BP50
「はっ………」
ログが流れて惚けた声を出していた。