シークレットレアの目覚めとステータス
二人が、何を言ってるのか、クリスには分からなかった。
『間もなくイナバが目覚めます』
サミエル「おっ、いよいよね」
セリシア「あらあらどんな子かしら」
二人は実に楽しそうだ。所詮は他人事だからな。まあ~、こうなると仕方ないか、
プシュ~、
円錐形の水槽から、水が排水されて行く。
水槽の中に入っていた幼女の全容がようやく分かってきた。
クリス「獣人系の相棒かな?」
サミエル「あら?!、白いワンピース着てるのかと思ったら、違うのね、長毛種かしら」
セリシア「これは、イメージと違ったわね」
クリス「幼女は幼女ですがね」
サミエル「それもそうね」
セリシア「頑張って、クリス君♪」
クリス「グフ‥‥‥」
ガックリ肩を落としたクリスだった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
イナバ「ん‥‥‥んん」
「「「‥‥‥‥‥‥」」」
プシュ~、プシュ~
円錐形の水槽が、台座から外される。
イナバに付けられていた。機具が外れた。
イナバ「‥‥‥‥‥‥‥‥」
ゆっくりと瞼が開いた。真っ赤な瞳が、クリス達三人の間をたゆむ。
そして‥‥‥‥
クリスを認識して、ジーっとクリスを見詰めていたかと思えば、
イナバ「パパ?」
ズガガガン!?
三人の身体を、強烈な何かが、走り抜けた。
人はそれを衝撃を受けると言った。
サミエル「‥‥‥かなりの破壊力ね」
イナバ「???」
キョトンと首を傾げる。
セリシア「クリス君がパパなら、私達のことはお姉ちゃんかしら?」
サミエル「ちょ、セリシア何を言ってるのよ」
セリシア「あら良いじゃない」
イナバ「‥‥‥‥お姉ちゃん?」
ズキューン、幼女な二人が、胸を押さえていた。
サミエル「今のは、中々な衝撃を受けたわよ」
イナバ「???」
イナバは、クリス達のことジーっと見ていた。
セリシア「あらあら、イナバちゃん、私のことセリシアお姉ちゃんと呼んでくれる?」
イナバはコクりと頷いて、
イナバ「セリシアお姉ちゃん」
セリシア「ウホッ?!、かわええの~」
イナバに抱き着き、頬擦りを始めた。どこのおっさんだ!、と叫びたい。
サミエル「それはそうとクリス君。気付いた?」
クリス「‥‥‥‥?」
クリスが首を傾げる。やっぱり気付いてないかと、短く嘆息を漏らした。
サミエル「あの子の搭載されてるAIは成長型ね」
クリス「成長型ですか?」
サミエル「簡単に説明するならそうね~。クリス君の宝石獣、あの搭載AIより上ね」
クリス「そうなんスね。ならコイツと同じレベルっすかね?」
クリスは頭にへばりついてる小さな亀を手のひらに乗せて、サミエルに尋ねた。
サミエル「‥‥‥‥‥‥はあ~、クリス君だものね」
クリス「なんか酷いこと言われたような‥‥‥‥」
サミエル「まあ~、クリス君は気にしなくて良いわよ。そのままが一番ね」
クリス「はあ~?」