見た目は幼女中身は老女?
今日はようやく仕事も一段落して、久し振りにゆっくり出来そうだ。
「よし」
クリス君にメールを送った私は、露店の準備に入る。
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リアルの今の私は、某有名大学の名誉教授である。
私は有名某、〇稲〇大学卒業後。
第一志望の製薬会社に就職、
20年勤務したのだが……
━━もうあれから数年前になるかしら。
アマゾンで発見された。12年に一度だけ花咲く、伝説の真紅女王花
そう呼ばれる花が発見されたのは、
そして私の勤める研究所に持ち込まれたのは。ある意味仕方なかったことね。自分で言うのもあれだけど、製薬に関して私の研究所は大学にある研究所にも負けない施設と。実績があった。
真紅女王花、その名前が初めて歴史に登場したのは、かのクレオパトラの日記である。
゛ある魔術師が訪ねてきた。゛
なにが話されそうなったか、魔術師の助言を受け、多くの兵を動員して、ある花の採取を命令した。と残されていた。
クレオパトラには、幾つもの謎が残されている。いやいまだに残されているのは、絶世の美女であること、その美貌が往年になっても損なわれず。何時までも若々しかったことだろうか。
有名な話では、ワインに真珠を溶かし。スパーリングワインのような飲み物を愛飲していたり、今で言う美容薬品を使っていた。なんて話もあった。真実は分からないわよただそう言われていたのよ。
でも最大級の謎は、クレオパトラが死んだ時の事だ。その死体が少女のように若々しかったことだ。
私はその秘密が真紅女王花にあると考えた。
それこそ人類の夢、不老不死の可能性を考えたの。
「はあ~まさかリアル幼女になるなんてね」
あれは事故だった。友人で、ゲームでも一緒の瀬里夏が遊びに来たときに起こった。
連日の実験、冴え渡る頭脳、次々にアイデアが浮かび、浮かれていたのね。
「まさかワインと真珠を溶かした物を使うことで、真紅女王花から不老の成分に似た物が取れるなんてね」
持ち込まれた花はほんの僅かなものだったが、どうにか成分を抽出出来た。増やすことはそんなに難しい物ではなかったのよ。だからマウス実験をしたし、猿を使った実験もした。
その結果は驚くものだった。マウスも猿も子供にまで若返りをしたのだ。その日の私は、人生最高の日だった。浮かれに浮かれまくったわ、まさかコーヒのカフェインの成分で、若返りの成分が変質してしまうなんて、考えもしなかったのよ………。
あの日。瀬里夏は、最近ハマっていた水だしコーヒーに。私の大好きなバームクーヘンを固まりで、お土産に持って来たの。
私の実験も上手くいき、有頂天の私は、瀬里夏を実験施設に入れてしまった。
普段の私ならやらない大ポカ。ほんと人生最高の幸せは、一転最大の不幸と紙一重。最大の大ポカよね。
私はあろうことか、コーヒーの入ったカップを何もない所でこけたあげく。試験薬にぶちまけた。それは見事にぶちまけたのよ。
風呂上がりにバスタオルで幼児体型になってしまったいまでも。いまだにクセが抜けない。あの重たい物が無くなりペッタンコな幼児体型。でも肌はゆで玉子のようにつるつるで、それだけは嬉しいのだが、車なんて運転しようものなら、必ず止められてしまうし。綺麗な洋服も下着も着られなくなったわ、正にリアル幼女。
まさに見た目は幼女、実年齢アラホーな私は、下手したら後数年で……初老なのだが、
「息抜きも大切よね」
今日も何もかも忘れて、エンドアースの世界を楽しむことにした。