閑話・第五陣リリース
〈アメリカ合衆国〉
『某州の片田舎』
母親『ボーイ、ボーイ!』
ボーリチ『‥‥‥なにママ?』
二階建ての一般的な家、ボーリチは地元の中学を優秀な成績で卒業したが、高校に通うのは家の事情で厳しくて。仕方なく通信教育を受けることになっていた。
母親『なんだか抽選が当たって、荷物が来たわよ~』
ボーリチ『!?、マジか、あ、あっ当たった!?、やっ。やったよママ!』
母親『あらあら、良かったわね私のボーイ‥‥‥』
母親思いの優しい少年は、モンスター・イン・エンドアース付きのVR機器が、何らかの懸賞に応募しついて、抽選で当選したようだ。
ボーリチ『うわあ~、楽しみだな』
海外のゲーム市場は、日本とは桁違いなお金が動く市場で、使われる金額も桁違いであった。
そのためその道のプロも存在してるため、賞金が出てるゲームもあった。
残念ながら、新規参入のエンドアースの運営にはそこまでの資金力はないようだが、前評判はいいゲームである。スポンサーが着けば、あるいは‥‥‥‥
また日本人は拘るので、純粋にゲームとしてのクオリティを期待するユーザーは多いのが現状だ。
★★★★★★★★
部屋に戻ったボーリチは、リクライニングにVR機器を設置して、同封されていたSDカードを。スマホ経由してノートパソコンに映したら、
『ご当選おめでとうございます。三名のお客様には、弊社のモンスター・イン・エンドアースをインストールしただけでなく、今回より新しい種族がリリースされます。お客様には新しい種族を選ぶもよし、エンドアースの世界を楽しんでくださるよう、社員一同願っております』
ボーリチ『日本人は律儀って言うけど、本当だね』
ここまで礼節を持たれると、悪い気はしないな。
さらに三つの特典がボーリチ達に与えられていた。
1、200ドル相当の課金チケット
2、特殊武器
3、100万ゴールド、回復アイテム各種10個セット
金持ちには敵わないが、少なくともスタートダッシュは出来そうだ。
ボーリチ『キャラクターメイキングは、今からでも出来そうだ』
先に、キャラクターメイキングだけ済ませる事にした。
『モンスター・イン・エンドアースの世界にようこそ』
美しい世界だった。
いきなりCGが流れ始め、世界が息ずいていた。
大自然を走るモンスター、澱んだ魔力から生まれた魔物の群れ、
時にモンスターと魔物が戦い、人間が、エルフが、パーティーを組んで、巨大なモンスター、群れる魔物
と戦う。
そこには確かに命があった。
ボーリチ『‥‥‥‥すげ~』
ボーリチは何度も、何度も、CMを見ていた。
ボーリチ『よし、やるか』
キャラクターメイキングを始めた。
そしてボーリチが選んだのは、
『ボーイ』
職業『格闘家』
種族:バンパイアハーフ
レベル1
ユニークスキル
『超回復』
ボーリチ『これは‥‥‥』
ボーリチ達三人が、リリースされたエンドアースに激風を起こすまで、カウントダウンが始まろうとしていた。
ボーリチ『よし初期ステータスも高いね。これは‥‥‥』
少年は生まれて始めて、ある感情が沸き上がっていた。