野良パーティ3
盗賊の襲撃を撃退して、無事に被害もなく文句なしにA判定が出たので、タケル達は喜んだ。
何故ここで喜ぶのか、途中経過の判定ボーナスがあるからだ。
盗賊達を捕まえたことによって、次の街に着くと警備隊から賞金が貰える。判定B以上だと冒険者ギルドで20BPが、後で貰えるのだ。ちょっとしたことだが、BPは色々使うので素直に嬉しいのだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇
盗賊襲撃後。二度のモンスター襲撃もA判定と高評価だったこともあり、ラングルバーンの面々は意気揚々である。
「あっビックリマークがあるから、彼処を越えたら。レイドボスが出るね」
クエストを受けてるからかキイロしか分かっていない。
「よし、ここで休憩だ」
先頭を行く商人が休憩を告げるや。馬車を止めた。
どうやら僕たちがレイドクリアしないと、この先には進めないようだ。
「みんな行くぞ」
タケルの言葉に皆が頷いた
街道沿いを進み。林から程近いビックリマークがあるとキイロが言った地点を過ぎた瞬間だった。
『ブゥウウウウウウウギュウウウウウウウ?!!』
空気を震わせる叫びに。肌が粟立つような恐怖を感じた。
「ちっ、恐怖の雄叫び(テラボイス)だ。ヒイロクリスに恐怖耐性を、ひとまず俺が押さえる、行くぞ『ウォオオオオオ!?』」
タケルのウオークライに。2階建てバスのような巨体を轟然と迫る迫力に畏縮していた。
「行くよクリス君。恐怖耐性」
ヒイロの補助魔法を受けると、直前まで感じていた恐怖が薄れ。手足に力が入るようになった。
「クリス!?」
ビックボアに弾かれたタケルの声に反応した。
「任せろ」
考えれば物理耐性レベル2ある。攻略サイトの情報なら、ビッグボアの体当たりも防御68越えた僕なら、真っ正面からでも耐えられる。
「ウォオオオオオリャァアアアア」
気合いを込めて走りより、ヒイロに迫るビッグボアの前に立ちはだかり、大剣の凪ぎ払いを放つ。
真っ向勝負。
だがビッグボアの突進は、攻撃力高いのか、赤いエフェクトが僕とビッグボア両方から煌めく、
「負けるかっーての!ウォオオオオオリャァアアアア!?」
どせい!、ビッグボアは尻餅を着いた。
「ミドリ今だ、落とし穴だ」
「は~い、落とし穴」
ビッグボアは真っ正面から弾かれたことで、ノックバックを起こしていた。普通レイドボスになると阻害系の魔法は効きづらいのだが、ノックバック、ピヨった時だけは耐性次第で通じる。
上手いこと、お尻から落ちたビッグボアはピヨッた。大ダメージ与えるチャンスである。
「総攻撃」
商人のキイロまで加わりビッグボアのHPバーを削りに行く。本当なら商人のキイロの攻撃力では、ビッグボアの防御を貫通出来ないのだが、ピヨッてる今なら違う。みるみるHPバーは減り、一本が消失。二本目も半分が消失したところで、
『ブゥウウウウウウウギュウウウウウウウァアアアア!?』
ダメージが規定の半数を越えた。ビッグボアは怒りのため暴走する。ただひたすら突進を繰り返す。この状態になるとひたすらプレイヤーは逃げ回らないとならない。こうなるとレベルは関係ない。怒りの突進カーニバルは、受けた相手を酩酊させ、回避率を1/3に下げるトンでも攻撃だ。
「カウントが始まった。ひたすらかわせ」
怒り状態は60カウントで解ける。避けるのもそれほど問題はない。
『グブゥウウウウウ………』
何れくらい掛かったのだろうか………、回復薬は無くなり、魔力もなくなり満身創痍。HPバーがみんな真っ赤だ。
ある意味奇跡。全滅もありえたのに、全員が生き残ることが出来た。
『レイドボス、ビッグボア討伐』
ログが流れた瞬間膝を着いていた。
「いやいや大変ってもんじゃないな」
それこそタケルの言う通りだ同意した。
━━━━━━━━
レイドボス討伐
評価B
総合評価A
討伐報酬ビッグボアの皮、牙、並肉大
MVPタケル