休日なのに伯父のバイトで潰れた
土曜日の午後、学校が終わって直ぐに伯父にメールした。
直ぐに返信が来たよ。待ってたようだマジか‥‥‥。
(これ絶対面倒な事だな)
待ち合わせのニコイチマートの駐車場に、目立つ黒のバンが止まっていた。
ニコイチマートとは、最寄りの地域密着型のコンビニのことだ。
都内に僅か12店舗と少ないが、手作りのお弁当と。二個100円の缶ジュースが売りの安売り店だ。
俗に言う100金の走りみたいなお店だが、地元に愛されるコンビニぽいディスカウントストアーである。
方城一乃辰「おっ、丁度来たね。積み込み手伝ってくれや」
栗栖「伯父さん了解でーす」
伯父さんは大量の飲み物をケース単位で購入していた。
350mm自ブランドの炭酸飲料が一本税込み54円である。二本で108円で二本売りだ。
その他74円の自ブランド缶コーヒ、48円の御茶、
540円の詰め合わせの一口羊羮とか、これ今日は貿易関連の鑑定士ではなさそうだね。
栗栖「伯父さん、今日何処行くんかな」
伯父「ああ、知人の旧家にね。まあ~」
伯父さんが言い淀む。なるほど片付けか、
栗栖「ふ~ん、僕じゃ大体しか出来ないよ」
伯父「わこうとるわ~、まあ~栗栖は目が良いからな~」
そう言われると嬉しいものだ。年若い僕の審美眼が良いと言われるのは、自慢じゃないが何となく分かるとしか言えないのがね。
知識がある訳じゃないから胸は張れないけどね。
バンは都内から二時間ほど走ると、
郊外に出た。
程無く。群とか、村とか付きそうな大きな倉がある。旧家が見えてきた。所謂田舎に向かっていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆
片道四時間、辺りは暗くなってきた頃。古びた旅館に到着した。
伯父「今日はここで泊まるからな。明日は早いぞ」
栗栖「了解」
一応着替えは持ってきてたので。旅館の部屋でジャージに着替えた。明日は汚れるの覚悟だしね。
この他に、Tシャツと半ズボンも持ってきていた。スマホで母さんに、旅館に到着したSNSからメールする。
返事は早い。
母さん『分かったわ~、一乃辰さんに宜しく伝えてね』
栗栖『了解』っと。
伯父「栗栖、この旅館な温泉だぞゆっくり足を伸ばしなさい」
栗栖「温泉!、分かった行ってきます」
足早に部屋を出ていった。
伯父「彼奴はああいうところ、フリージアさんに似たんだな」
小さく苦笑していた。普段の栗栖は、シャワー派である。しかし温泉となると別だ。
「うっ、あっ、ああ~」
やや熱いお湯に足の指先が触れて、おっかなびっくり、かけ湯を繰り返し体を洗ってから浸かると。変な声が出てしまう。
「体に染みるわ~」
そのまま30分、しっかり汗を流して。汗が引いてから部屋に戻った。
伯父「さっばりしたようだな、丁度夕飯が来たぞ食べようか」
先に一杯飲んでた伯父さんは、ご機嫌である。
栗栖「また禁酒させられるんだ?」
伯父「うっ‥‥‥いやそのな」
伯父さんは独り身である。結婚もして子供もいるけど、病死したからだ。
方城五美16、五美は僕と同い年であるが、五美が早生まれだからか学年は一つ上である。
その五美だが、関西風に言うとおかん体質で、ものスッゴい仕切り屋で、御酒好きな本家のお爺ちゃん、伯父さんは、お婆ちゃん以上に五美に頭が上がらないのが現状である。
栗栖「僕は、気にしないからほどほどにね」
伯父「おお~、ありがとうな栗栖」
五美も締め付けすぎは良くないと分かっているのだ。
そこはラインから、お願いされたのは内緒だ。
九州の男は酒飲みが多く、肝臓も強靭だ。
父さんも強いが、母さんには敵わない。俗に言う枠って奴だね。
伯父さん話すのは主に僕の学校の話である、伯父さんの話は五美のおかんプリが、きついって愚痴を聞きながら。
安蘇牛の網焼き、烏賊の海賊焼き、いしりどうふ餡掛け、デザートに葛もちをウグイス餡を乗せた物が出てきた。
栗栖「ご馳走さま」
伯父「おう、栗栖は辰起達と違って普通だから安心すりな」
栗栖「母さん達はちょっとね‥‥‥」
あの二人は、某大食いタレント並みな気がする。
伯父「そうだな‥‥‥‥」
僕も伯父さんも五美もわりと健啖だけどね。あの三人は別格だ。
よし早めに寝ようかな。
この物語に出てくる。地域、氏名等は創作物ですご了承を下さい。