クリスの一人遊び平常
クリスは、エンドアースにログインした。
一瞬の空白
その直後。
カメラのピントが合ったように。視界が広がっていた。
フルダイブタイプに見られるタイムラグだ。
これがプライベートアイランドに行くと、タイムラグは顕著に現れるから、ゲームとして割りきれてるのだろうな、
「見慣れてきた天井だ‥‥‥」
そう言えば、一つ忘れていた事が会った。
「小型船は、インベントリーに入れとけるんだよな。忘れないうちに買いに行っとくか」
城塞都市の冒険者ギルドに着いた。
やたらとプレイヤーがいたのに驚いた。
(そう言えば、イベントの報酬にプライベートアイランドがあったな)
何気にあれ楽しいから、はまりそうになるのも分かる。
イベントの景品が、また課金チケットっていうのもあっての事だろうな。
☆☆☆☆☆☆☆☆
海辺の町ランガに転移してきた。
以前船を作ってもらった工房を訪れた。
ドーセン「いらっしゃい‥‥‥‥おや君は確か」
船工房を営むドーセン。漁協ギルドの受付嬢ナタリアの父親がこの工房の店主だ。
「実は、城塞都市にクランを構えまして。先に進むには小舟が必要でして」
ドーセン「ふむなるほど、では小型の魔道船にするかね?」
「そうですね。お願いします」
ドーセン「了解だ」
9528311→2528311ゴールド
また金が消えて行くな‥‥‥‥、
「必要経費だな」
ドーセン「6日で出来るからね」
船工房を後にした。
(時間もあるし‥‥‥‥)
漁船を出して。漁をしたり釣りをしてそれなりの漁獲量とBPを稼いだ。
一度夕飯のためログアウトすることにした。
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下に降りると、珍しく父さんが、台所に立っていた。
「お帰りなさい」
「ただいま」
ちらり男臭いゴリラが答えた。相変わらずたっぱはあるしレスラー体型なせいか、威圧感が半端ない。
「父さん、夕飯何かな?」
「‥‥‥‥‥つみれちゃんこだ」
「ふう~ん」
でかいすり鉢まで出していてごりごり練っていた。
かなりの量である。
「少し貰っていいかな」
ちゃんこにしても鰯のつみれだけはきつい。また父さんの事だから、大量に鰯を買ってきたんだろうし、
「‥‥‥‥‥‥何を作る?」
業務用のバットに大量にある鰯のつみれからどんぶりに移して。卵白、塩、酒を加えてさらに練ってから粘りを出した。
クッキングシートに薄く伸ばして。正方形にカットしたら。160cの油で揚げてく。
「‥‥‥‥黒はんぺんか」
「うん、これなら揚げとけば冷凍しとけるからね」
「‥‥‥‥栗栖」
何とも言えない顔で、口下手な父さんの眼差しに苦笑する。
「今度は生姜を刻んだの作ろうかな」
「‥‥‥‥‥楽しみだ」
正解だったようだ。
それから暫くは黒はんぺん揚げることになった栗栖だった。