森林エリア
サミエル「さて、みんな今のログ見て気付いたね?」
ウータン「はい!」
ヨッシー「私達は、薬草園と森林エリアで、採取ですね」
ミィー「頑張ります、ムフ~」
クリス「僕が、鉱山エリアで採掘ですね」
セリシア「うん、そんな感じで、暇な時間はお願いね」
一同「「「「はい!」」」」
サミエル「まあ~今から肩肘張っても仕方がないわよ。今日はみんなで森林エリアに行ってみない」
一同「「「「「さんせ~」」」」」
みんなでマップを開いた。
・『森林エリアに強制転移しますか?』
yes/NO
よく分からないがyesを押した。
「あっ」「うえ」「きゃあ」「あら」「へえ~」
視界が真っ白に染まって。
ア~、ア~、ア~
ククククク。ククククク。
クァ!、クァ!、クァ!
GAO~!、バササササ、
ジ~ジジジジジ、ジ~ジジジジジ、
ゴホホホ。
音の洪水に包まれたように、巨木に囲まれた。森の中にある。ぽっかりと口をあけたような小さな広場に、皆が惚けた顔で立っていた。
セリシア「今のが、クランマスターの強制転移ね」
サミエル「そうね。いきなりだと驚くわ、でも楽は、楽ね」
ウータン「そうなんですね。ちょっと強引ですお兄さん」
ヨッシー「ビックリしたにゃ~」
ミィー「強引なのは、それは…………ありかも」
クリス「アハハハハハ。なんかゴメン」
乾いた笑いを滲ませながら、クリスは素直に謝る。
サミエル「次は、チャットで知らせてよ?」
クリス「りょ。了解!」
ピシリ、背筋を伸ばして敬礼していた。
ウータン「プッ」
ヨッシー「にゃぷっ」
ミィー「お兄さん…………可愛い」
セリシア「皆は不快に思ってないようだから今回は、許してあげよう」
クリス「はっ、はは~」
容姿端麗なエルフな幼女が、上から目線で、偉そうな物言いである。
クリスは悪のりして。どこぞの騎士のように、我が儘なお嬢様を相手にする赤熊族の青年の姿は、何処かしらコミカルに見えた。
サミエル「……………くっ、やるわねセリシア」
一人悔しそうに、我が儘お嬢様のライバルのようなサミエル、タイミングの妙と言いますか、
クリス「………プッ、グフ、だっだめ、ぶは、アハハハハハ!」
バカ笑いを始めたクリス、しまいには腹を抱える始末、
ウータン「……………やだ~、可笑しいの」
ヨッシー「にゃはははははははははははははは!」
ミィー「あはははははははは可笑しいの~」
セリシア「うふふふふふ、ああ~楽しい」
それぞれ実に楽しそうで良かった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
ひとしきり笑って、スッキリした一同は、ようやくログに気づいた。
『森林エリア開放のため、広場を作ろう』
周りを見れば全員斧を持っていた。
ウータン「これがプライベートクエスト?」
ヨッシー「あっ、報酬がGP&BPだにゃ~」
ミィー「ふえ~、頑張るのです、ムフ~」
サミエル「私達は良いけど、セリシアは、木材の加工をお願いするわ」
セリシア「そうね。助かるわ」
セリシアはエルフの幼女だ。非力である。
だがエルフは、木材と薬草の扱いに長けてる種族だ。妥当な判断だった。