プライベートエリアのアップロード?
いきなりプライベートハウスから、放り出されてしまい、やや混乱していたクリスに、
サミエル達からのメールが届いたが、意味が分からなかった。
マップを開いてタッチしてみた。
『私達の秘密基地』
・『入江海岸エリアダンジョン』使用不可
・『薬草園エリア』使用不可
アップロード中
・『鉱山エリア』
使用不可
アップロード中
・『森林エリア』
使用不可
アップロード中
・『釣り堀』
使用不可
・『プライベートハウス』使用不可アップロード中
「なっ。なるほど…………」
クリスは、諦めて、プライベートエリアからクランハウスに移動、
自分の部屋に戻って、ログアウトした。
━━━━━━━━
翌朝、エンドアースにログインして、プライベートエリアに入ったのだが………。
『アップロード中』
「………時間が掛かるみたいだね」
諦めて、大人しく散歩しに行くことにした。
下に降りると。カツカツカツ。ラブリンが待ち構えていたようだ。
「おはよう」
「………わふ」
パタパタ尻尾を振っていた。
「今日はランニングするから、ドックランに行くよ」
「………はあはあ、わふ♪」
多分通じてるのか、分からないが、返事してくれてるのか、条件反射なのか、僕にはちょっと分からないかな~、
お散歩セット持って、僕とラブリンは、ゆっくり走り始めた。
自宅から、ゆっくりしたランニングで40分。
自然公園があった。
外周はランニング、サイクリングコースになっていて、公園の一部がドックランとして開放されていた。
「あら、ラブリンちゃんのお兄さん、お久しぶりね」
「コウタママおはようございます」
コウタママと呼んでるが、おネエな人だ。朝だからか髭がこゆいのはご愛敬だ。
犬の飼い主あるあるで、公園の顔見知りがいると。まずは犬の名前が来て、〇〇ちゃんのお兄さん、お姉さん、中年だと〇〇ちゃんのお父さん、お母さんが一般的である。
「学校の勉強が忙しくて、中々公園までは来れなくなりました」
「あんら~。学生さんは大変ね~」
「昨日は日曜に体育祭があったので、今日は代休でして」
「あらあら何だか懐かしい話をしてるわ、おはようコウタママ、ラブちゃんのお兄さん」
「あんら~おはよう、ミサミサお姉さん」
「あらやだお姉さんなんて♪」
ここで下手なこと言えなくなった。何を言っても困るキラーパスである。
ちょっと勘弁して欲しい今日この頃だ。