チームケモナーの思惑
『ウータン』
レベル15
兎族
職業:【剣士】
『ヨッシー』
レベル14
猫族
職:【魔法使い】
『ミィー』
レベル16
獅子族
職業:【僧侶】
『海辺の町ランガ』
私達三人は、早く学校が終わった事もあって、久しぶりにエンドアースで会うと約束していた。
ミィーこと所井三津子ちゃんは、春先に大阪に引っ越してしまい。SNSのグルーヴチャットだけの繋がりしか無くなってしまう。
当初は不安と悲しみに押し潰されそうになったのだけど、私達の友人方城ベッキー由美から聞いた話を元に。
親に頼み込んだ、VRの購入を。
あれは高価な物だ。当初渋ってた親も、私達が欲しがる理由を知ると、渋々購入に同意してくれたので、由美には悪いけど。
こうしてゲームの中だけは。今まで同じように遊ぶことが出来るようになった。
『ウータン』
アパートから出た私は、二人にメールすると、既に冒険者ギルドに向かってると返信があった。
「しょうがないな~」
二人とも今日のこと。楽しみにしてくれていた。
そう思えるだけで、口許がもにょもにょしてきたのは内緒だ。
足早にウータンは、冒険者ギルドに向かった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
二人は直ぐに見付かった。
「あれ?お兄さん」
ヨッシーが、見覚えのある赤熊族の大剣使いに話しかけていた。
「あっ、お兄さんだ~」
ウータンのもにょもにょが、嬉しげに綻んでいた。
そんなこと本人が知るよしもなかったが………
☆☆☆☆☆☆☆☆
クリスお兄さんと話してると、幾つか気になった事が出来た。
一つはクリスお兄さんが、クランを設立したことだ。
いつもソロプレイばかりしてたから、ちょっとした違和感を覚えた。
クリス「本当は、クラン組んだから、クランハウス借りれる城塞都市を目指す予定だったんだけどね」
ウータン「えっ!、お兄さんクラン作ったんですか」
クリス「うん、僕とか知り合いはソロとかが多いけど、知り合いが勧誘に困っていてね。イベント中にクラン組むことにしたんだよ」
ミィー「ふう~ん。お兄さんは勧誘とかしないんですか?」
クリス「僕のとこはしないかな」
ヨッシー「どうしてですかにゃ、お兄さん?」
上目使いに可愛らしく見える顔をヨッシーが作っていた。
横目で見るとミィーも何だか呆れ勝ちな目で、ヨッシーを見ていたも。
クリス「わざわざ勧誘しなくてもいいかな~って、僕もそうだけど、知り合いもリアルが大切だしね。ゲームは楽しむ程度にしたいから」
ウータン「なっ、なるほど」
うんお兄さんの言い分も分かるかな、私達は三人で行動してる。女の子パーティだし。ケモナーだしね。
ナンパ目的の勧誘を受けたこともそれなりにあった。
私達は、視線を合わせて、パーティチャットを開いた。
ウータン『お兄さんの所なら良くないかな?』
ミィー『うん、お兄さんなら安心だしね』
ヨッシー『私は賛成かな』
三人の気持ちは纏まった。
ウータン「あっ、あのお兄さんにお願いがあります」