予想外のゾンビオーガの群
三人が部屋に入るなり、扉が閉まる。
『ガァアアアアアアアアアアアアア?!』
ゾンビオーガリーダーが、戦意の雄叫びをあげていた。
セシリア「ちょ、ちょっと!、何よあの数は」
サミエル「うそ~、ゾンビオーガリーダー、あれ特殊個体よ!」
※特殊個体の魔物、フロアーボス、フィールドボスの中でも、一段上の能力を持った魔物
サミエル「うえ~、いまそれをログするかな」
そうですよね………。
セシリア「やることは変わらないわ、サミエルは盾役をクリス君は、中衛をして、私は援護します」
クリス「了解でーす」
サミエル「任せなさい、わざわざこんな日の為に作った装備なんだからね」
鼻息も荒く、サミエルが気合いを入れていた。
ゾンビオーガリーダー特殊個体は、前に見たリーダーよりも一回り大きく、肌が黒かった。
ゾンビオーガの数は10体もいた。
特殊個体はまだ動かない、
僕達に近い5体のゾンビオーガが動き出した。
クリス「ミズリー左の二体に阻害を」
「うにゃ~ん【疎外の禍風】」
☆【疎外の禍風】
※補助魔法、一定時間相手の動きを疎外する向かい風
相棒のゴーレムドラゴンノアに、右手のゾンビオーガに巻き付かせ、人魚の人形プリンに
特殊スキルを使わせる。
属性『混沌』
【ゴーレムドラゴンノア】
能力
・《自動攻撃》
・《巻き付き》
特殊能力
無し
属性『海』
【人魚の人形プリン】
能力
☆《ノイズハウリング》
※全体攻撃、継続ダメージを与える。
特殊能力
○《癒しドロップ
》
※指定した相手を定期的回復する。ただしアンデットはダメージを受け続ける。
「ゴアゴア」
「ピチピチ」
楽しそうに宙を飛ぶ二体の相棒。笑うようにノアが、ゾンビオーガ一体に巻き付いた。
『ガァアアアアアアアアアアアアア』
叫ぶゾンビオーガは動けなくなり、
「ピチピチ♪」
プリンが動きを止められたゾンビオーガに、特殊スキル○《癒しドロップ
》
を発動した。
『ウガアアアア!』
暴れ、ノアの《巻き付いき》から逃れようとしていた。
ゾンビオーガも継続ダメージを受け始めた。
サミエル「やあ~」
力が抜けるような掛け声を発しながら、身を覆う大盾掲げる。
サミエル「【パワーショット】」
盾アビリティ、ゾンビオーガの攻撃を真っ向から、盾で破壊しに行った。
赤いエフェクトが飛んだ。アンデットは物理ダメージに強い。
ドワーフの特性は、背の低さに比べて、パワーが獣人並み、手先が器用だ。
ゾンビオーガの殴り付けを、器用に受け流し、開いた胸をかち上げるように盾を渾身の力で振り上げた。
ガイーン、まるで鐘を叩いたような音が響き、ゾンビオーガがノックバックを起こした。
セシリア「チャンス、『水の精霊よ』」
(おっ、あれが精霊魔法)
半透明な、生意気そうな顔の女の子がその声に答えた。
サミエル「あら精霊って、可愛らしいのね」
水の精霊は、サミエル姐さんの言葉に、どや顔で胸を張った。
サミエル「驚いた。言葉を理解してるのね」
セシリア「『癒しの水』」
精霊は、仕方ないわねと言わんばかりに、ノックバック起こしたゾンビオーガに手を翳した。
チャプン、ゾンビオーガの頭上に、水が集まり、大きな雫が出来上がると、ゾンビオーガに降り注いだ。
クリス「クリティカル!?」
サミエル「クリス君!」
サミエル姐さんの声に、僕は動いた。
『02:59』
HPバーはあと少しだった。
魔鉱のバスターソードに入れていた。属性石を光属性で発動させる。
『02:58』
カウントダウンが始まった。