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伯父さん



 学校から帰ってくると。家ノ前に、見覚えのある黒塗りのバンが止まっていた。


本家の伯父さんの車だ。


ただヤの付きそうな車だが、あれ伯父さんの趣味だそうだ。


父さんの実家は、代々老舗の商家から始まる、由緒正しい?。戦国時代にはあの博多にあった神屋に、世話になっていたそうで。


その関係で、今もちょとした輸入貿易会社を家族経営している。


「珍しいな伯父さんが、家にくるなんて………」


そうとう珍しいことだ。


何せ伯父さん、輸入会社の役員をしてる関係から、海外に出張してることが多く、年に一度合うか合わないか、それほど多忙な伯父さんである。


確か去年は………、夏休みに顔を合わせたかな………。


「ただいま」


リビングに入ると。


「クー兄お帰り~」


「お兄、お帰り」


伯父さんは居なかったが、伯父さんの娘で、従兄の恵梨香えりかちゃん10歳が、ベッキーとお菓子を食べて。楽しそうに笑いながらテレビを見ていた。


「ただいま、母さんと伯父さんは?」


「うん、母さんのバイト関連で、あっちでお話し中だよ」


「………そっか………」


夏休みも近いし、今年の夏休みは、僕もバイトにかり出されるかもね、


伯父さんや母さん関連のバイトは、母さんのお兄さんである。伯父さんから頼まれて海外にの貸し倉庫、貸しガレージ等で、契約者が逃げたり、行方や所在不明になった事故物件と呼ばれる物が、毎年夏に故買

オークションが掛けられる。



それはほとんど現地で行われるのだけど。


中に何が入ってるかは、運次第だ。ただ貸し倉庫だと高額な品が、入ったまんまになってることもざらだ。大抵は貿易会社が赤字を出して、破産して、そのまま差し押さえされるパターンだ。


大抵そのまま売却されるのだが、こうした倉庫には、何十年も仕舞われたままの倉庫もある。


母さんのバイトとは、母さんのお兄さん関連と。父さんのお兄さん関連で、主に通訳に駆り出される。


僕が駆り出されるパターンは、伯父さんが競り落とした倉庫での仕分けや、ちょとした鑑定作業だ。


僕は母さんによく、バイトに連れられてかれていたんだ。そのせいか分からないが、色んな物を見る眼が育った。そのせいかちょとした特技を身に付けた。


所謂審美眼ってやつをね。



何故かは分からないよ。何となく贋作とかが分かるようになったんだ。


母さんも多少の審美眼を持っていたが、残念ながらベッキーには無かったね、妹は運動神経に恵まれてるかな、僕と違って、僕は平凡だけど、ベッキーにはテニスの才能があるようだ。



はてさて僕には、鑑定までは自信無いけど。伯父さん達にとって、ちょとした指針になるからとわりと好評だ。


多分5~10日くらいは、伯父さん達のバイトに出掛けるかもね。


「……おっ、栗栖お帰り」


「ただいま伯父さん」


方城直隆ほうじょうなおたか伯父さんは、強面の顔に、人好きする笑みを浮かべていた。


あっ、これは決まりのパターンだな、仕方ないか。





☆☆☆☆☆☆☆☆





 結論から言えば、夏休み、伯父さんのところと。母さんのところのバイトが決まった。


「栗栖じゃ7月頼んだよ」


「了解です」


「くー兄~またね」


御盆前に、母さんのバイトが入るから、夏休み前半は宿題をいかに効率よく済ませるかにかかってくるな。


そっと吐息を吐いた。



真否眼→審美眼に改修しました

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