夕飯はスパメシ
ログアウトしたのだが………、
「うわ~、なんか頭が重いし、体がだるいな」
う~ん、ちょと頭を使いすぎたように、頭がかなり重い気がするなな………。
「少し長く(ゲームしすぎたか?)
今日のようにガッツリとゲームしたのは、久々だったからかな。
夕飯食べたら。今日はゆっくりしようかな、早めにお風呂入ろう。
☆☆☆☆☆☆☆☆
今日の夕飯は、父さんの力作。男の手料理だ。
男の手料理って言えば、肉、ニンニク、炭水化物が三種の神器だと、父さんは宣う。
そもそもの話、家の父さんはちょと、色々と可笑しな存在だと思う………、
父さんの実家、方城家は、由緒正しい武家だったそうだ。祖は関東の雄、北條家に連なる伊勢の家系であり。
九州に流れて来てからは、神屋に身を寄せ。薩摩隼人の血を取り込んだ、何故か水があったのか、
体格が良くなったと父さんや伯父さんは言っていた。
僕以外はね………。みんな180近い高身長の親戚が多いのは確かだ。
その中でも、父さんは抜きん出て身長が高い。2m以上もあるしね。
ただゴリゴリのゴリマッチョだ。
顔は、どう見てもK1に出てた。チョ〇〇〇ン似だ。これでお役所の課長とか………、
ある意味一番の謎な人は父さんかなって思う。
近所の人は、プロ格闘家か、プロレスラーだと思われている。朝の出勤では、背広着るのだが、遠征に背広で出掛けるのね。とか言われてしまう始末だ。
母さんが外人だから余計にね。
「どんどんステーキ焼くから、食べ始めなさい」
ずだんと出された肉。一枚500グラムはありそうな分厚いステーキ、
「これが旨いんだ」
ニヤリ不適な笑みを浮かべる。確かにね。輸入牛肉だと思うが、わりと言い値だんしそうだね。
上質な刺しがあって美味しそうだし。
「次行くぜ!」
ハラミの香草焼きを、豪快に大皿に盛りつけた。
「よし。次はパエリアに掛かるぞ?!」
鼻息荒く、業務用のパエリア用の鉄鍋を出してきた。
オリーブ油に、山盛りのニンニクスライスが投入された。
軽くニンニクに火が通ったら、アサリを焼く。
蓋が開いたアサリが皿にどけられた。
イカと海老も軽く焼いて皿に退けられた。
鍋に業務用の炒めてある玉ねぎ、サフラン、お米が入れられざっくりと炒める。
う~ん。実に食欲そそる香りがしてきた。
「おっ、ベッキーも降りてきたか、もうステーキはできるから、自分の皿を出してくれ」
「はあ~い」
だん、だん、ダダ~ンと。次々に料理が出来上がる。次はベッキー大好きな、煮込みハンバーグを真っ先に自分の前に引き寄せた。
「二人とも、どんどん食べなさい」
「頂きます父さん」
「うわ~い。お肉♪、お肉♪、たっ~く~さ~んのお肉だ?!」
…………喜んでるな妹よ。
兄には肉ばかりでキツイぞ………。
母さんいないから、野菜が全然ないや、多少げんなりしていた。
僕の気持ちなんて考えず。ゴーイングマイウエイな我が妹は、自分の前にあるハンバーグをぺろり、ハラミを食べ始めた。
ノルマを達するのも軽々くいきそうだな。
「あっ、お兄、全然減ってないよ~」
ローストポークの蜂蜜漬けに手を伸ばした。
「ん~、ジュシー♪」
骨付き肉にかぶり付いた妹。
「うまい……、けどな(…肉肉ばかりは)」
明日は学校だよ。あんまり過剰なニンニクはちょと……………ね。
食べ過ぎると明日絶対臭くなるからな………。
「……ベッキー、半分食うか?」
「うん、食べる~!」
満面の笑みだけどさ。
明日になって、
自分の臭いに後悔しなきゃいいけどな…………、
内心黒い言葉を呟きながら……、
これまたニンニクたっぷりなパエリアを。少しよそいもしょもしょ食べた。
ため息が何だかニンニク臭い気がした。
残念なお知らせが、
朝早く、妹の絶叫で起こされた。髪の毛からニンニク臭くなって、部屋が加齢臭の漂う。中年サラリーマンが使い古した枕のようになったらしい。
へっ、ザマア。
僕は、妹に近寄らないラブリン連れて朝の散歩済ませることにした。
「行くか」
「…………わふ」
僕もラブリンには臭いらしい。歯を念入りに磨いとこうかな、
☆☆☆☆☆☆☆☆
帰宅したら、居間に風呂から出てきたベッキーが、母さんにてつだってもらい、髪を乾かしていた。
「昨日食べ過ぎたのね」
「………ううっ、だって」
ブチブチ文句垂れ流す妹を他所に。僕は、ひきたてのコーヒ入れていた。
その間にシャワー浴びにお風呂に向かう、
「母さんコーヒ入れたよ。ベッキーにはミルクティーね」
「………お兄、ありがとう」
朝からテンション低い妹の後ろで、苦笑してた母さんの前に、新聞と最近少なくなってるチラシを置いた。
「はい、お仕舞いね」
「………着替えてくる」
母さんがコーヒ飲みながら、チラシのチェックを始めた。
「ありがとう栗栖」
「母さん、朝からご苦労様」
「あの子もね~」
ベッキーの騒ぎを思い出したか、母さんもため息を吐いた。
「学校の帰り、買い物しとくから、5000スマホに送っといて」
「分かったわ、後で買い物リスト送るからお願いね」
こうしてまた一日が始まろうとしていた。