本選第一試合結果と再び叩き売りのような賭け事屋
それから試合の内容が一変した。
セルゲーリは一歩も動かなくなり、ただひたすらタケルの攻撃をいなし。弾き。盾のアビリティを使い。【シールドバッシュ】【ブロッキング】で完封して見せたのだ。
まさに格が違っていた。
『勝者セルゲーリ選手!?』
「「「「「ウォオオオオオオ!?」」」」」
第一試合から見応えのある試合に、僕も含めて皆満足そうだったのは言うまでもない。
「よし換金してくるか」
最終的にセルゲーリの勝ちは1、1倍だった。
「おっ、お兄さんおめでとう」
10→11万ゴールドになった。
「さあさ見てらっしゃいよってらしゃい賭けてらっしゃい!、御客様の多くが第一試合で儲けた筈だ」
「大した儲けでねーよ!」
「1、1倍じゃな」
「「「そうだそうだ」」」
NPCのヤジに叩き売りのように軽妙な語りをする。賭け事屋は、バシバシ二枚に重ねた板で、机を叩く。
何時の間にかボードの中も変わっていた。
「第二試合は三大クランの一つ明星の幹部剣五郎VSクラン・翼撃の剣士団副団長カガリ」
バシバシ、
「倍率は1、6対3、6だあ~」
バシバシ、机を叩いて、それぞれのプレイヤーが所属するクラン、イベントの実績がある程度細かく語られた。
僕はメニューを開いて、よく知らない剣五郎ってプレイヤーよりも、お金のダンジョンでお世話になったカガリに10万ゴールド賭けた。
「お客さん勝負師だね~」
掛札を受け取り。僕は闘技場に戻った。
☆☆☆☆☆☆☆☆
『白熱した第一試合に続いて、第二試合を間もなく開始します。選手は入場下さい』
カトレア姫の司会ぷりは堂に入っていた。妙に手慣れてる事から、ログの説明通りなのだろうな。
闘技場に二人が入場してきた。
『第二試合━━━━━開始』
剣五郎はザンバラ髪の武士のような出で立ちに。腰に刀を下げていたが、武器を構えず。抜刀術のような構えだ。
対するカガリは、スピードアップするアイテムである。嗜好品扱いの煙草に火を点けて。
片手剣、刀身が赤いので、どんな鉱石が使われたのかが分からないを無造作に構えた。
「………何時でも構わん」
「━━━ふぃ~。ならば、往かせてもらおうかね」
紫煙を吐き出しながら、カガリが無造作に剣五郎の間合いに入っていた。
━━━キン、キン、キン
3度だと思う、カガリが間合いに入った瞬間。剣五郎の右手がぶれたと思ったら。金属を打ち付けた音が響いたのだ。
『おお~っと迅速の斬撃カガリに対して、恐らく抜刀術と呼ばれる異界の剣術と思われます剣五郎の抜き打ちを。カガリは単純に早い剣で防いだもよう、早さはプレイヤー屈指と言われておりますカガリ。噂に偽りなし』
へえ~。カガリさんて、早さ特化の剣士だったんだね。
それにしてもカガリさんのスタイルは、エンドアースのプレイヤーらしく、課金によるものだろう、対する剣五郎って人は、多分自前の技術を。エンドアースに持ち込んだ。リアルチート気味な現代の剣士だろうな、
「やるね」
「あんたもな」
今度は剣五郎が、左を前屈みに、軽く腰を落とすような独特の構えをとった。
「本気になったって所かい、ふぃ~」
紫煙を吐き出しながら、実におっさんらしいく、気負いも、やる気も見受けられないカガリ。
「拙者の最速の抜刀、見切れるかな」
━━━キン、
金属を打ち付けた音が響いた。
「なかなか早かったな、だがエンドアースは課金してなんぼだぜ坊主」
ニヤリ、不敵に男臭く笑ったカガリは、何時の間にか、剣五郎の後ろに立っていて。赤い刀身の片手剣を軽く振るう、
剣五郎の首が落ちて、闘技場から消えていた。
『第二試合勝者カガリ!?』
「「「「「ウォオオオオオオ!?」」」」」
その日一番の歓声が上がった。