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本選第一試合2



 二人のプレイヤーが、やや固い表情を見せた。


僕達は一般人だ。闘技場で戦うことも、大勢の前に立つことも稀だ。緊張しない方が可笑しい話だ。


『第一試合━━━開始!?』


「うっ、ウォオオオオオオ」


「こい!」


二人が勇ましい咆哮を上げた。


戦士タケルは盾を使わないスタイル。オーソドックスな片手、両手どちらでも扱える黒鉄のバンデットソード。


前に使っていた剣とは違うようだ。


対するセルゲーリは騎士団との名付けに偽りなし。多分ミスリルの鎧、ミスリルの幅広いカイトシールド、ミスリルのヘルムのバイザーを下げていた。


剣だけは聖銀の長剣だ。オークションで売られたミスリルセットを買ったのは、


聖騎士団副団長セルゲーリだったようだ。



━━━ガキン、火花散るタケルの猛攻、


実に落ち着いて捌くセルゲーリ、


沈着冷静と言う言葉は、彼にあるもの、そう言われても納得である。


PVの醍醐味は、スキルを何処で使うか、


またはスキルを使うと見せ掛けして騙すフェイクをいれるか、


わざと隙を見せるとかに使うか、


表に出ない裏の駆け引きが魅力である。


上位のプレイヤーになれば、ステータスの底上げは無論、魔法、魔道具、魔剣、聖剣、属性剣とか装備しているのは当たり前だ。


イベント当日まで書かれて無かったので、イベントが始まり闘技場に早々に入ったプレイヤーは愕然とした。


PV中の回復薬が使えないこと、予選が予想外の攻撃、補助のアイテムの持ち込みはOKのバトルロワイヤルだったことだ。


さらに辛いことに。予選・本選出場者には、アイテムの買い足しが禁止されていたのだ。


参加していたプレイヤーは知らず。予選終わってから雑貨屋に行って警告を受けたらしい。


ダンジョンに潜るのは、かなり苦労したこと等が、公式に書かれていた。


特に補助アイテムを宛にしていた。本選出場予定のプレイヤーには、滅茶苦茶厳しい本選出場になった。


タケルが、両手剣のスキル【パワースラッシュ】の構えをとった。


【両手剣5】【大剣3】で覚えられるアビリティは、片手剣の必殺コンボに匹敵する攻撃力を誇る。


まさに致命の一撃を放つ技である。


ただセルゲーリが何もしなければの話だ。


普通のプレイヤーならば、タケルの大胆な作戦に後手に回り焦って仕掛けそうな物だ。


しかしセルゲーリは冷静に盾を構える。


タケルが渾身の一撃を放つ。


「ウォオオオオオオ?!」


赤いエフェクトにタケルの全身が包まれた。


大剣の【パワースラッシュ】とは違い両手剣の【パワースラッシュ】は、体ごとぶち当てるように放つようだ。


「【ブロッキング】」



━━━ガイン



「がっ」


タケルは、セルゲーリの【盾3】のアビリティ【ブロッキング】によって、弾かれた。


ゴロゴロ勢いよく闘技場を転がるタケル。


『おお~っと。タケル選手の渾身の一撃が、セルゲーリ選手に防がれた』


「「「「「ウォオオオオオオ!?」」」」」


大歓声が上がる。見応え十分な試合だ。僕だって叫んでたさ。


「すげーマジすげー。何あれ【パワースラッシュ】を【ブロッキング】で防ぐとか、どんだけステータス高いんだよ」


驚きだった。黒鉄製のバンデットとは言え。ダメージは高かった筈である。何よりも【ブロッキング】は物理攻撃、魔法攻撃、特殊攻撃を唯一ダメージ無しにすることが出来るアビリティだ。


ただしシビアなアビリティの発動タイミングを必要としているし何よりも。


かなりピーキーな使用となっていたので。プレイヤーの中に【ブロッキング】使いは少ない筈だった。


「セルゲーリさんってもしかして、盾使いかな」


PVで、初めて見るので絶対とは言えないが、このまま見てれば分かるか、



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