叩き売りのような賭け屋を覗き見してたら、思わず賭けてみた
【闘技場】
『外町』にある庶民、貴族、王族問わず。人気の娯楽施設である。
【奴隷闘士】
闘技場で血流し、時に死ぬ事が多い奴隷の一種である。力に自信がある犯罪者が多いが、中には成り上がった【奴隷闘士】を【上級闘技戦士】と呼び。奴隷から解放されり、莫大な金を手にした者もいたそんな設定だ。
エンドアースの運営は、妙な拘りが強いな。
普段は、奴隷の生き死にを賭けた試合が組まれているようだが、
イベントでの設定では、王族に近い貴族が、今回国内に異界の住人が現れたこと、しかも死んでも復活すること。
宮廷魔導師が、VRシステム搭載の魔道具の開発に成功したことで、
NPC冒険者も近い内に参加できる。武術大会を考えていること。
今回は死なない異界の住人に限定して、大会を開くことで、闘技場の安全を唄い。闘技場の楽しみを広く宣伝させる効果を期待してとのことだ。
そんな訳でイベント前半は、異界の住人だけが出場してくるのだ。
目端の利いた裏社会の者達は、貴族と結び付き、賭け事の元締めに勤しむ。
「さあさ見てらっしゃい。よってらしゃい。賭けてらっしゃい」
まるで昭和の叩き売りのように軽妙な語り口調のだふ屋が、バシバシ手書きのボードを叩いた。
「ここに早くも本選に出場が決まった。異界の住人。冒険者達のトーナメントが決まった!」
バシバシ、拍子を合わせるような軽妙さ、思わず話術に引き込まれる。
「予選からみたトーナメントのオッズが此方だ」
バシバシ、実に心地よい口上に。NPCは無論、プレイヤーも集まり、フォトじゃなく、動画を取り出した。
その気持ちは分かる。聞いていて楽しいからな。
「第一試合は色のクランと呼ばれるメンバー。副マスター戦士タケル」
バシバシ、
「対するは三大クランが一つ。聖騎士団セルゲーリ副団長、優勝候補の一人だ」
バシバシ
『タケル6VSセルゲーリ1、2』
「さあさ見てらっしゃいよってらしゃい賭けてらっしゃい、右の数字がオッズだよ」
「よし俺は穴に賭けるぜ」
「おっ面白そうだな」
穴に賭けるNPCが多いが、僕はメニューを開いて、
セルゲーリに10万ゴールド賭けた。
タケルに悪いが、相手が悪すぎる。
「お兄さん豪気だね~」
だふ屋で掛札を貰い。屋台で幾つか食い物買った僕は、闘技場の中に入った。
「あっ、そう言えば、外町の冒険者ギルドなら冒険者も雇えたんだよな」
すっかり忘れていた。
前半の武術大会があるってことは、後半には、NPC冒険者が出てくる。王国杯が開催される。
前半の武術大会で上位八人は、王国杯出場が認められていて、プレイヤーからもちょとした話題になっていた。
最強のプレイヤーは誰か、やはり気になるしね。