墓場のダンジョン
暗い
思ったよりも、下手したら上の墓場よりも暗いぞ……、
明かりが必要だったな。
いっさい用意してないぞ………。
仕方ないな、今日は戻ろうか………、
「失敗したな」
いきなりダンジョン探索に挫折していた。
☆☆☆☆☆☆☆☆
いきなり失敗したプレイヤーは多く。
無駄なゴールドを使ったと愚痴板が、異様に盛り上がったようだ。
初日のPVは予選もなく。練習時間が設けられていて、
実際の予選はエンドアース時間、3日ごである。
リアルだと明日からになるようだ。
僕は貧民街にある。雑貨屋でランタンと鉤付きロープを購入した。
今日はそのままアパートに戻って、不貞腐れた気分でログアウトした。
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朝目覚めた僕は、鬱憤を晴らすため。ランニングウエアに着替え、下に降りた。
「……………」
「おはようラブリン」
「…………ゎふ」
朝なので、ラブリンも気を使ったようだ。
ラブリンのお散歩セットに、拾い食い防止リードを付けたら、
軽いランニングの開始だ。
歩くよりもやや遅いペース、なるべく体の動かしたかを意識しながら走る。
これは何も考えず走るのとかなり効果が違うらしい。
らしいってのは一応は実感もしてるが、
この方法は、中学時代の部活の先生から学んだ。結構頭が疲れる………。
「ふぅ~」
歩きに変えて、ラブリンのトイレを促し、おっきい方は片付け、ちっさい方は水で流した。
「行くか」
「ワフ!」
はぁはぁさせながら。上機嫌に尻尾が揺れる。
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帰宅したらラブリンの足を拭いて、起きてた母さんに声を掛けた。
「おはよう」
「おはよう栗栖」
ラブリンの水皿。水を変えてから与える。
「お風呂入ってくる」
汗を流して、頭を拭いてるとベッキーが入ってきた。
「…………はよ」
「お風呂替えたばかり、まだ温かいからな」
「ふあ~い…………」
眠そうなベッキーは寝巻きを脱ぎ出したので慌てて、脱衣場から出た。
「父さんおはよう」
「おはよう」
久々に居間にいる父さんを見ると、かなり威圧感が半端ないな、
どうみてもプロレスラーにしか見えないゴリゴリな筋肉質な体、背広が似合わないね。
見慣れてる筈なんだけど。此処のところ忙しかったのか、朝見なかったから、新鮮である。
「母さんから聞いてる。頑張ってるようだな」
寡黙なイメージがある父さん、どちらかと言えばおしゃべりである。
「あっ、父さん業務用スーパー行きたいから、休みの日頼めるかな、色々と足りないから」
「ああ~。母さんとベッキーに話しとく、はぁ~」
女の人の買い物長いもんね。
疲れるけどこればかりは仕方ないね。