久しぶりの配達
学校が終わり、バイトもないので早めに帰宅した僕は、予習復習済ませ、週末に母はバイトだから。大物と野菜の買い出しに出ることにした。
「葉物野菜は金曜にして、大根、人参、馬鈴薯の根菜類は買っとこう、日保ちするからね」
冷凍庫、冷蔵庫を見て、肉類が少ないのを見て取る。
「土曜、父さんに車だしてもらって業務用スーパー行くかな?、調味料とか少なくなってるし………」
あっ、でも母さんとベッキーは、業務用スーパー大好きだし、勝手に二人で行ったことがバレると。機嫌が悪くなるかも………、
これ父さんに要相談かな。
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エンドアースにログインした僕は、昨日に続き、始まりの町に向かった。
転移の門からでると、昨日よりもプレイヤーが多かった。
………何故だろうか………。
後日。その理由を知る。
はっきり言おう、僕のせいだった。
今までメインストーリーは、冒険者ギルドでクエスト受注してると、偶発的に始まるものだと考えられていた。
しかし僕が、漁協ギルドでメインストリーを見つけたことで、キイロ達を誘った。
後日、情報の開示なんかは、キイロ達に任せていたのだ。
結果として、
プレイヤーはメインストーリー探しに。躍起になってたって訳らしい。
始まりの町にあるなんでも、
・【鍜冶師ギルド】
・【魔法使いギルド】
で、メインストーリーが見つかったらしい。
さらに裏の闇ギルドにも、メインスートリーがあるらしい。
そこは流石に秘密にされてたけどね。
以外な所からでは、お金のダンジョン関連でも、
オークション街に。オークションギルドなる物が発見されたそうで……、
話題になってたらしい。
これを聞いた僕は、なるべく毎日掲示板や、検証クランの板を見ようと思ったものだ。
マレンダ雑貨店に顔を出すと、
「おはようクリス、待ってたよ」
満面の笑顔で出迎えられた。
なんか嬉しいかも、こう言うのも………。
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町の南から、森に向かって歩いてく。慣れた道である。
ここのところ、イベントや海辺の町ランガ関連でバタバタしてたから、こうした慣れたクエストも悪くないかも、たまには良いよね。
程なく、ポツンと小屋が見えてきた。
「じいさんいるかい」
扉をノックした。この小屋には元【漁師】のアルガンじいさんが住んでいる。
「開いとる。勝手に入ってこい」
小屋の中に入ると、相変わらずなアルガンじいさんがちょと嬉しそうに笑う。
「なんじゃ!、クリスではないか、元気そうだな」
「じいさん久しぶりだな、マレンダさんの店に寄ったら、配達頼まれてな」
「おお~そうか、そうか、そろそろ小麦粉とか日用品が残り少なくなってたのだ助かるわい」
朗らかに上機嫌に言うと。
「時間はあるじゃろ?、お茶に付き合え」
「ああ、頂くよ」
ゲームでありながら、何とも言えず。リフレッシュ出来るって言ったら、信じてもらえるかな?、
多分信じて貰えないかもね。
その日、アルガンじいさんと色々話して、結局他に何もせずに。僕はログアウトした。