幼女な友達と海上都市を目指そう
漁から戻った僕に、サミエル姐さん、セシリア姐さんからメールが届いた。
サミエル
『やほ~☆、お誘い感謝感謝、明日喜んで同行するよ』
セシリア
『おひさ~Ψ( ̄∇ ̄)Ψ、楽しいお誘いに感謝だよ~』
ご機嫌メールが返信されてきた。
まだまだ他の国へ行けるプレイヤーは少ないから。こうしたお誘いが嬉しかったのかもな。
エンドアース時間で、明日のお昼は二日後になる。
一応チームケモナーも誘ったが、
中間の結果が思わしくなく、ゲームの遊ぶ時間が制限されてるようだ。
しきりに謝ってきたが、こればかりは仕方ないかな。
キイロ達は、自分達の船を買うようで、工房を紹介した。
城塞都市近くにある湖。
その湖の中に街があって
【湖の町フラン】
※【漁師】【商人】船を持つ職業のプレイヤーNPCが住まう町
メインストリーを見つけたらしく、隠しダンジョンの攻略に手間取りそうとメールがあった。
今回はサミエル、セシリア姐さん達だけだった。もう少しゲームとは言え、一緒に遊べる友達が欲しいかも
。
「またノラやろうかな」
当たりが多かったから、とりとめなくそんなこと考えていた。
アパートを出た僕は、ミズリーを肩に乗せて、転移の門がある町中に来ていた。
二人を見付けた。あっ、向こうも気付いたようだ。
セシリア
「やほ~クリス君」
サミエル
「おはようクリス」
相変わらず可愛らしい姿の二人、幼女なドワーフのサミエル姐さんと、幼女なエルフのセシリア姐さん達だ。
セシリア
「今日は宜しくね」
サミエル
「楽しみにしてたよ。宜しくね」
輝くような満面の笑みを浮かべる二人に、はいと答えながら、船のある埠頭に向かった。
ゴウタスが船長を勤める交易船は。大型帆船のため、普段僕が使ってる桟橋とは違い、倉庫街の先にある埠頭に曳航している。
朝早いこともあって、埠頭の辺りには沢山のNPCが働いていた。
ようやく僕の商会が有する扱いになった。大型帆船が見えてきた。元が幽霊船だとはとても見えないしっかりとレストアされた船に、雇った船員達が、荷物を運び上げているのが見えた。
セシリア
「へえ~結構立派な小型帆船よね」
サミエル
「そうね帆船としては小型のキャラベルかしらね」
キャラベル?、二人の幼女は、ガレオンより小さいからとか、やけに帆船に詳しかった。
「あの大きさなら後二隻は欲しいところね」
いやいや無理ですって、高すぎますから。
やや乾いた笑みが溢れた。
「ゴウタス船長出港」
「ヨーソロー!。テメーら出港だ」
「「「「ヨーソロー!」」」」
船員達が、きびきび動きだした。
ほどなくして帆船に帆が張られ、風を孕んだ。
ゆっくり帆船は、埠頭から離れ、港から沖に向かって進む。
内海から、外界の境目にある島を通り抜けると。波が荒くなる。外海に出たのだ。
「魔動機入れろ」
操舵手がヨーソロ~と返事を返し。魔動機の動力が動き始めた。
サミエル
「へえ~魔動機か、そこはファンタジーぽいなにかね」
セシリア
「そうね。ただリアルよりも風は感じないわね」
二人は早くも船になれたようで、リアルとの違いを検証していた。