少しだけ漁協ギルドからの扱いが変わった
ゴウタスのメインストリーをクリアしてから、久しぶりの漁協ギルドに来ていた。
「あらあらクリスさん、ようやく顔を出しましたね」
キリリとした顔立ち、ややきつめの眼差しを僕に向けてきたのは、受付嬢のナタリアさんだ。
何だか、文句ありげに険のある眼差しであった。
漁協ギルドのNPCのAIは優秀らしい。案外他のマイナーギルドもそうなのかもな、
「はっ、はあ……」
「いつのまにか、うちの受付だったゴウタスを引き抜いていたし、さらには船を任せてますよね?」
あっ、確かにそうはなってるな、一応NPC抜きにしてもリアルなら、文句の一つは言われそうなことだよな~。
「大切なことですから言いますが、早めにギルドにも知らせて下さっても良かったのでは?」
よくホウ・レン・ソウなんて言うし。でもゲームの中で、しかもNPCに言われてしまうとは………。
「まあ、そこは置くとしましても。税のこともあります。なによりもクリス様は、船舶を二隻以上持ったことになりますので。なるべく早めに商会の立ち上げをお願いいたします」
『商会を立ち上げよう』
また唐突にログが流れたぞ………。
1【見習い商人】→【商人】になろう
2『船員を雇おう』
3『航海士を雇おう』
4『船員長を決めよう』
5『操舵手を雇おう』
6『交易をしよう』
7『ゴウタスを交易の船長に任命しよう』
8『交易船の登録を済まそう』
9『税金を払おう』
10『商会の店舗を借りよう』
「うへ……、また面倒そうな………」
げんなりしながら、頭を抱えていた。
「なんか僕だけ、ゲームが変わってないかな………」
このゲームの売は、血湧き肉踊る冒険と。巨大なモンスターを狩る。爽快感、ちょと泥臭いが自分の好みに強化できるシステムが好評で、前回のお金のダンジョンのような、楽しめるイベント、メインストリーと呼ばれるNPCの主役クエスト、自由度の高いフィールド、プレイヤーの好みで変えられるプレイスタイル。
長く楽しめるゲームだと思うんだ。
でもさ職業は選んだんじゃ無いんだけど、なんか漁師とは関係なくないか?、ちょとした疑問を抱く。
ただこれはどれも直ぐには無理そうな内容だった。
時間もないし。先に行政に行って、船舶の登録、桟橋の使用料、大型交易船の税金を払った。
「1375万ゴールドですね」
「高いわ!」
「仕方ありません。新造船なら仕方ありませんが、一度登録済みの船で、数年税が払われて居なかった船でしたし、商会の屋号ごと購入頂く訳ですからな」
今まで未払いだった税金が、払われると知ってか、急に饒舌に喋りだす徴税官。
「屋号ですか?」
「はい、以前交易船の持ち主だった商人株のことですな、納税がされてなく行政で差し押さえされていたのですよ」
はっはあ?、段々とこと詳しく税金に関する話をされ続け、頭が痛くなってきた。
「いかがですかな」
これ………、NOとは言えない空気が……、
「…………払わせて頂きます」
徴税官は小さくガツポーズをしていた。
「でしたら是非ともお店の購入も」
なんか逃がさないつもりか、後ろにも二人ばかりの徴税官が入ってきた。いつの間に………、戦慄していると。
「クリス様是非ともお店の購入もお願いします」
「はっ、はい………」
総額1億7070万ゴールド、流石に一括で払いきれる金額出はなかった。
8000万ゴールドは払い、残りを漁業からの天引き、交易船の売上高からの天引きにしてもらった。
「ゲームで借金………、ゲームで借金……」
ぎょ、行政怖い(>_<)