四つの鍵とからくり金庫2
下に降りると、何もない突き当たりに、鍵穴だけがあった。
アイコ「んじゃ、早速……」
残った三の鍵を順番に試してくと、二番目の鍵で、
カチン、鍵を回す事が出来た。
カラカラカラカラ、き~い。
前の何もない場所に、人が屈まないと通れないような位置に、扉のように開いた。
アイコ「私が先に行くわ」
皆アイコの言葉に頷いた。
頭を下げて、扉を潜ると、細長い通路が続いていた
。
キイロ「奥に、鍵穴があるな」
アイコ「鍵使うよ」
二つ残ってる鍵を使ってるのが見えた。直ぐにガチャン、鍵が回った。
カラカラカラカラ、ガチャン、
アイコの上部分が開いて、縄梯子が降りてきた。
キイロ「随分と厳重な金庫だな」
キイロの呟きに僕も確かにと頷いた。
縄梯子を上がりきると。四畳半ほどの小さな部屋に出た。
ミドリ「おっきい金庫………」
金属製の両扉の金庫がででんとあった。
キイロ「これはボス戦では無さそうだ」
ヒイロ「でもメインストリーだし。ボスはいるよね?」
ちょっと今までのメインストリーとは毛色が違うようだ。
アイコ「取り合えず開けちゃうよ」
最後の鍵穴に鍵を挿し込み、ガチャンと鍵を回した。
ガタガタガタガタガタ、キ~イ、
アイコは持ち手を回した。ガコン、
アイコ「クリス」
クリス「はい」
アイコ&クリス
「「せ~の」」
左右に、重厚な金属製の両扉は、ゆっくりと開いて行く。
ミドリ「おっ………おお!」
ヒイロ「うひゃひゃひゃ、お宝お宝♪、金銀財宝ザックザク」
キイロ「これは………、ん?、あれは」
「……親父?、親父!」
中年の男が倒れていた。
既に息はない様子だが、生前のままの姿であった。
キイロ「これはいったい………」
予想外な結末だ。僕らの予想では、船長である商人が………、
クリス「あっ………」
商人と船長を一緒に考えていたことに、気が付いた。
キイロを見ると僕と目が合って、一つ頷いた。船長と商人は別だったと気が付いたようだ。
「おっ、親父………」
遺体の傍らに、紙片が落ちていた。
〇月×日
嵐にあった俺達は、どうにか嵐の中を海辺の町に向かうため、より波が大丈夫な沖に向かうことにした。
〇月×日
まさかそんな………
上手く沖に出た船は、予測の出来なかった出来事が起きてしまった、
まさか本当にあるとは………
【霧の海域】
〇月×日
一日中。薄暗い霧の中……、
昼夜も分からなくなった。
〇月×日
日付も合っているかもはや分からない。食糧はあるが水が残り少ない、
×月×日
もはや日付を付ける意味は無いだろう………
ゴウタス……
エリミア………
私の可愛い娘サーシャ………
×月×日
島が、島が見えた。
【霧の海域】
に、島が見えたんだ。
助かる。助かる!、助かるんだ。
生きる。生き残るからなゴウタス。わが最愛の息子よ。
×月×日
島はあった。
だけど、船の墓場だったんだ。巨大なモンスターもいる。
夕べ四人が自殺した。
俺は………生きる。
生きるんだ。
×月×日
………もう、体に力が入らない。
最後の力を使って、からくり金庫の中に入った
………みんな
………みんな死んだ。
もはや俺も………
済まないゴウタス
…………
それが最後の殴り書きだ。
『父親の遺言をクリアしました』
『霧の島の位置を印す地図を手に入れた』
『船の墓場の宝物1/6の権利を手に入れた』
『マップに船の墓場のダンジョンの場所が反映されます』
※船の墓場ダンジョン、
漁協ギルドで、資格保有者がパーティにいる場合のみ、上陸することが出来る特殊ダンジョン、
アイコ「えっ、これで終わり?」
ヒイロ「あっ、終わりみたいレベル上がったし」
ミドリ「私も二つ上がってる」
クリス「あっ、三つレベルが上がってるわ」