宝箱ならぬ錆びた箱
二階層の探索を終えた僕たちは、再び集まった。
キイロ「何か見付けたかな?、僕の方はガラクタだけ」
アイコ「そうね。アンデッドが消えたからかしら、色々落ちてたわ」
ミドリ「私の所も、鍵がない錆びた箱があったよ。なんのアイテムか分からないけどね、兄貴鑑定してよ」
ヒイロ「ごみアイテムだけだったよ」
クリス「綺麗な原石を二つ拾った。これはキイロ達にプレゼントするよ」
キイロ「………良いのか?」
クリス「うん一つはあるからね。それに、王都までは先が長いし」
「「「「あぁ~なる~」」」」
クリスが苦笑すると納得していた。
キイロ「じゃミドリ【鑑定】するぞ」
鑑定結果がチャットで送られてきた。
・『日誌入れ』
※中に入れた物は腐蝕しない。
一応、魔道具らしい、表面は錆びてるが、中は無事な可能性のあるアイテムだ。
キイロ「これは……、原石の代わりじゃないが、こいつはクリスに渡しとくよ」
ミドリ「いいんじゃないそれで」
クリス「うん、納得してるなら、ありがとう」
メインストリーに関係しそうなアイテムだし、多分選択しに。関係するからだろうな、と、納得した。
クリス達は二階層の探索を終えて、三階層に上がった。
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アイコ「ちっ、厄介なのが居やがる。みんな戦闘だよ」
階段を先頭に立って歩いてたアイコが、慌てたように走り出した。
『キシャー』
肉食蜥蜴の動物系ゾンビだった。
グールはゾンビにしても動きが早く、厄介だ。
闇の属性を自身が
持ってるため、攻撃されて受けてしまうとランダムに、麻痺か猛毒の異常状態に陥る可能性があったからだ。
しかもここにきて速さのあるアンデッドとか……。
階段の側にいるとからも、最悪の事態だと確信出来た。
キイロ「ヒイロ、アイコに」
クリス「ミズリー、僕に【風の盾】」
「うにゃーん【風の盾】」
クリス「【体当たり】【薙ぎ払い】スイッチ!」
アイコは、HPバーを減らしていた。
異常状態にはなっていない。
素早く判断しながら【強振】
野球なら三振になりそうな力任せの振りは、アイコが横に飛ぶことで、まともに肉食蜥蜴のアンデット(グール)の身体を捉えた。
クリティカル判定、アンデッドである以上、物理ダメージは少ない、
残念ながらノックバックはないか、
ミドリがキイロより先に上がってきた。
ミドリ「【炎の槍】」
タゲはまだアイコに向いていた。
火属性魔法のダメージは………通った。
ヒイロ「【範囲防御魔法】【加速】」
次いでヒイロが走りより、キイロが最後に登りきった。
パティに補助魔法が掛けられて、みんなの動きも良くなった。
キイロ「ハアアアー」
最後方から、何かを投げた。
肉食蜥蜴のゾンビに当たる。
閃光が走った。
どうやらさっき言っていた原石を研磨した。魔法を封じた宝石を持ってたようだ。
『グギャアアアアアアアア?!』
光属性に弱いアンデットである。閃光でもダメージがあった。
キイロ「立て直してく」
アイコは素早く立ち上がり、回復薬中を煽る。
アイコ「行くよ、【私を見て!】」
注目のスキルを使った。