幽霊船型ダンジョン
『幽霊船ダンジョンを攻略せよ』
歩く骸骨を倒した瞬間。
クエストが現れた。
キイロ「このパターンは無かったな」
アイコ「ようやく面白くなってきたわね」
ミドリ「これから盛り上がりそうだわ」
ヒイロ「前半の呆気なさから、ダンジョンに突入とかなかなか考えられてるよね」
クリス「この通路安全地帯になってるね。ログアウト出来るようだ」
キイロ「あっ確かに、1時間休憩にしようか」
アイコ「さんせ~」
ヒイロ「ちょっと小腹空いたから丁度いいね」
ミドリ「じゃ、一時間後に」
皆ログアウトしたのを見送ってから、僕もログアウトした。
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VR機器を外した。机に置いてあるスマホを見ると
【01:30】
SNSにショートが入ってた、
『お兄さま、夜焼肉食べたい、ママにもしといたから、あの焼肉のタレ作っといて』
食いしん坊クマのスタンプ付き、
『はいはい、だと思って昨日作っといてある』
頭を抱えるカエルスタンプ
数分とせず返信
『おお~流石はお兄さま【ハート】』
目にハートちりばめた太目のリススタンプ
「はあ~父さんには、鳥胸のニンニク胡麻油漬けかな」
手早くトイレを済ませ、幾つか野菜を切って灰汁抜きに薄い塩水に漬ける。ジャガイモは色が変わりやすいから、食べるときでいいかな。
「そろそろ戻るかな」
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ログインするとアイコさんだけ戻ってた。
「早いですね」
「私も来たばかりだ、おっ、話す暇もないな」
挨拶してると、キイロ、ミドリ、ヒイロの順でログインしてきた。
アイコ「よし、張り切って遊ぶか」
「「「「はあ~い」」」」
何時の間にか、クリスもキイロ達のノリに慣れてきた。
でもようやく面白くなってきたのも確かだ。
安全地帯の通路を抜けると、再び歩く骸骨がさ迷っているのが見えた。
アイコ「三体だけね。さっさと倒して通路抜けましょう」
ダンジョンとクエストのログが流れたせいかな、大型帆船の船内にしても、空間が広がったように思える。
これは所謂異空間ダンジョン、もしくは特殊ダンジョンに上げられるかな。
二つ目の通路にいた歩く骸骨を倒して。
扉を抜けると。再び通路が現れた。
まさかループとかじゃないよな………
三つ目の通路、先にはやはり歩く骸骨が三体いた。
アイコ「ループだと嫌だから、今回は倒さず抜けるわ」
ヒイロ「確かに了解」
クリス「ミズリーの【疎外の禍風】と【風の盾】で妨害してみるよ」
キイロ「やってみるか」
ミドリ「こういうダンジョンって、謎解きとかありそうだもんね」
皆一斉に走り出す。
カタカタカタ、カタカタカタ、カタカタカタ、歩く骸骨達が此方に気付いた。
クリス「ミズリー」
「うにゃ~ん【疎外の禍風】」
歩く骸骨の動きが遅くなった。その隙にアイコ、キイロが抜け僕とミズリーが抜けた。
ミドリの少し後にヒイロが走るが、歩く骸骨にまとわりつい付かれそうだ。
クリス「ミズリー」
「うにゃ~ん【風の盾】」
ヒイロに迫りしがみつく寸前の歩く骸骨だったが、【風の盾】に弾かれ、倒れていた。
クリス「先に抜けて」
ヒイロ「うひゃひゃひゃサンキュー」
ミドリの後を追いかけるように、扉を走り抜ける。
「ミズリー」
「うにゃ~ん」
ミズリーと最後に扉を抜けた。