霧の海域2・ド忘れ
色々恥ずかしい思いを抱きながら、僕はミズリーも宝石獣モードにさせた。
「ミズリー空の敵は、任せたからな」
「うにゃ~ん」
『ごあごあ』
ゴーレムドラゴンノアが、気の抜けた叫びを上げた。
ヒイロ「(゜ロ゜;!クリス君、クリス君、それ宝石獣だよね!?」
ミドリ「おぉ~、私も初めてみたかも」
アイコ「何回かあるよ、ただ……あっ、そう言えば、イベントの時に確か、ゴールドショップにも出てたわね。ただ高くて買えなかったけどね~」
アイコがおどけて肩を竦めた。
キイロ「おっ、宝石獣か珍しいな、それにクリスもゴーレムドラゴン揃えたのか」
クリス「キイロもだね」
クリスとキイロの側で、ゴーレムドラゴンがうねっていた。
ヒイロの傍らに、梟の相棒が飛んでいた。
「霧が、大分深くなりやしたね」
ゴウタスの言うとおり、いつの間にか、視界が悪くなってきていた。
こうなると空からの襲撃が怖いな、
ヒイロ「防御魔法行くよ」
範囲防御の補助魔法が掛けられた。
「ここからが本番でさ、ヤバイのが出るかもしれやせんぜ」
『霧の海域』では、大型のモンスターの影を見たと噂があったな、ゴウタスはそれを思い出したか、顔色を悪くしていた。
『『『ゴアァー』』』
『『『ガァアアー』』
『『『ゴアァー、ゴアァー、ゴアァー』』』
急激に騒がしくなってきた。
パシャパシャ何やら争う音が、
水を跳ねあげるせいか霧も深くなり、手の先も分からないほど霧が深い、
漁船はその間も海流に流されて、霧の中心部、何やら争う音に向かっていた。
ミドリ「ちょっと、風まで強くなったじゃない」
アイコ「これ嵐のステージってやつかしら」
ヒイロ「うへっ、酔わなきゃ良いけど」
キイロ「皆ゴーレムドラゴンが動き始めた、敵がいる」
キイロの言うとおり、ゴーレムドラゴンノアが、自動攻撃を始めていた。
クリス「ミドリ大体で、モリ撃ち銃を撃って、相棒は攻撃を受けないから大丈夫だから」
ミドリ「へぇ~相棒は大丈夫なんだ」
ヒイロ「あっ、確か相棒だけは仲間の攻撃を無効になってたよね」
ヒイロも相棒だけは仲間の攻撃無効を知ってたようだ。レイドボス、フィールドボスの時にデコイには出来ないが、普通の戦闘だと不破壊となる。
このことを知ってるプレイヤーの一部は、相棒を生きた盾として使うプレイヤーも多いらしい。
もっとも初心者だけだが、
何せ相棒のAIはある一定の感情のような物があって、あんまり酷いとプレイヤーの指示に従わなくなると、話題になったこともあったのだ。
「船長!、でかいのがきやす」
『ゴアァー!』
ドスン、船に大型のモンスターが体当たりしてきた。
ちらり霧の中から見れたのは、レッサーシーサーペントだった。
ミドリ「よし。当たった」
ヒイロ「的が大きいから、普通に攻撃出来るね」
クリス「モリ撃ち銃は一度撃つと、モリの巻き時間あるから、ミドリは魔法を」
アイコ「クリス君盾役に、キイロは後ろを警戒、多分一匹だけじゃないわ」
キイロ「了解」
クリス「了解です」