海の素材2
「ん……、朝か、ちょっと寝不足気味かな」
昨日は、少し頑張りすぎたな、頭がちょっと重いかな、
下に降りると、たったたたた軽快な足音が聞こえた。
ラブリンが僕の足音を聞いて、起きてきたみたいだ。
「おはよう」
「ワフ」
朝だらか、返事は押さえ目だ。
洗面所で顔を洗ってると……、
たったたたた、僕の後を付いて来ていたラブリンが、
ポスリ足の間に顔を突っ込んできた。
「どうしたラブリン」
「クウ~ン……」
上目使いで、何だか寂しげだ。
「ベッキー昨日帰らなかったのか?」
「………クウ~ン……」
多分、友達の家に泊まったんだろうな、仕方ないか………、
「今日は公園に行くから、ボール出しといて」
「ワフ!」
ちょっとだけ機嫌が治ったのか、たったたたた。
尻尾フリフリ、ラブリンは玄関に向かった。
☆☆☆☆☆☆☆☆
ご機嫌なラブリンに引っ張られながら、すっかり暖かくなった朝の散歩は、それなりにたのしい。
家から20分、森林公園に着いた。
森林公園とは言うが、外周がマラソンコースになっていたし、山林コースは近隣の運動部が使ってたりする。
公園の一部がドックランになっていて、高いフェンスに囲まれていた。近所の飼い主達、主に主婦、お姉さん、夜のお兄さん何かもいたりする。
「おはようございます」
「「「「「おはよう」」」」」
だいたいが皆さん顔見知りです。
自慢の飼い犬同伴のコミュニケーション、だいたいが可愛い自慢だったりする。
「ここにいるから、挨拶してきな」
「ワフワフ♪」
拾い食い防止付きリードを外すと、走り回ったり、じゃれあったりしてる。ラブラドールのグループに元気に突撃したラブリン、
「おはよう、ラブリンのお兄ちゃん」
━━━そうなんですよ奥さん、
こうした集まりでは、飼い犬メインなので、飼い犬の名前がメインです、主婦なら〇〇〇〇のママ、
飼い主が男性なら〇〇〇〇のお父さん、
子供だったらだいたいが、〇〇〇〇のお兄ちゃんとなる。
まあ~飼い犬あるある?、かな、
「おはようございますクウタママ、小太郎ママ」
クウタは名前の可愛らしいイメージとは違い。
大型犬のシベリアンハスキーと秋田犬のミックスだ、
毛色は黒寄りのグレーで、背中にはわりと珍しい星空のような丸い斑点が点在していた。
舌を出しながら、強面のクウタだけど甘えん坊だ、
挨拶がてら、頭と耳をわしわしすると、嬉しそうに尻尾フリフリしていた。
小太郎君は、柴犬の小さいほう、豆柴で、毛色は伝統的な茶色、背中におやつが入ってるのか、小さなリックを背負っていた。
二匹は仲良しで、ドックランにいると、大概一緒にいる。
「そう言えば、ロウクンママのこと聞いてますか?」
「えっロウクンママですか」
何だろう?、僕もちょと分からぬまま飼い主ネットワークに引きずられながらの、井戸端会議になった。
ただ井戸端会議と言ったって侮れない、色々な情報が集まってくるのだから。
☆☆☆☆☆☆☆☆
何だかんだラブリンと遊んでしまい、帰りはお昼近くになっていた。
お昼を茹で蕎麦で、手軽く済ませた僕は、明日の支度を済ませると、残りの時間を有意義にするため、エンドアースにログインした。
━━━━━━━━
新しい天井だ、まだ見慣れないけどね、
「うにゃ~ん」
ようやく来たにゃ~ん
甘えた声でゴロゴロ鳴らしながら、頭を擦り付けてくる。
これネットで調べたんだよね。
わりと猫って、自己主張強くて、自分のテリトリーとか、犬はおしっこで匂い着けたりするけど、猫は耳を擦り付けてくる。まあ~、ここは自分のとか自分のテリトリーとかの主張らしいかな、
「今日も漁船乗ろうか」
「うにゃ~お~ん!」
にゃ~もいくにゃお~ん!
上機嫌に、ミズリーが吠えていた。