船が出来ました
リアルで五日が過ぎた。
そろそろ船が出来ている頃だろうか………、
体育の授業中、僕の順番までぼんやりしながら待っていると……、
ついついそんな余計なことを考えてしまう、
「次、方城、山田前に」
体育館の一部に、畳を敷いての柔道の授業である。
青の柔道着で白帯の僕に対して、山田君は、白の柔道着に黒帯だ。
まず勝てないが、少しは頑張らないとね。
体育の後お昼で、午後の一発めが古文って………、
━━━拷問だよ
どうにか眠気に勝った僕は、さっさと帰宅することにした。
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夕飯は珍しく手抜きのいなり寿司だった。
母さん買い物忘れたらしい。
まあ~嫌いじゃないから良いけど。100はあったな、
ベッキーと母さんのエンゲル係数がヤバイな。
さて今日の予習復習を済ませた僕は、船を受け取りにログインした。
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「うにゃ~ん♪」
よくきたにゃ~ん♪
ミズリーが歓迎のご挨拶に、ベットに登り、ゴロゴロ喉を鳴らしながら、僕の前に来るとコテン、お腹を見せて眼を細める。
「………………」
僕は無言で、ミズリーを構いながら、アパートの外を見る。
エンドアースは夕方になる時間帯らしいね。
アパートから、船の工房に向かうことにした、
プレイヤーが借りれるアパートは、集合住宅。所謂団地ぽい作りになっていて、場所は倉庫街の近く、通りで言えば裏通りにある。
アパートからは、冒険者ギルド、漁協ギルドのある小さな港も程近い。
朝市場があるのか、鑑定すると新鮮なって出るから、取れたて野菜や魚が露店にならんで、賑わいがあった。
よく言われる多分下町とか、そんな感じかな……。
海風に煽られながら、漁船が沢山ひしめく小さな港が見えてきた。
遠目からも、海の桟橋から程近い場所に。船の工房はあった。
ようやく工房ちたどり着いたら、すでに職人達が、忙しそうに働いていた。まるで現実のように額に汗をかいていた。
隣にある事務所に入ると……、
工房主ドールセンさんが、気難しそうな顔をしていた。
「今晩は」
「………ん、あっあんたか、船は出来てるぞ。少し待てくれ、これだけ書類を済ませるから」
それから船の受け渡しを無難に済ませたら、
「この書類を、行政に提出してくれ、それと船主になった『漁師』は、毎年登録した漁協ギルドに、10万ゴールドを納める義務があるから、忘れずに納税するようにな」
※船に関する決まり
いきなり画面が浮かび、ログが流れてきた。
※
1、船舶購入したら最寄りの港に船舶登録をすること。
これを怠り登録せずに船舶を運用すると、密漁者として手配を受け、港町に入ることが出来なくなり。警備兵に捕縛される。
2、漁船ギルド、料理人ギルド、商人ギルド、冒険者ギルドのどれかに登録したら、そのどちらかの窓口にて、船舶取得税を忘れずに納税しましょう、
税を払わず放置しとくと、領主の私兵によって捕縛される可能性があります。あまり酷いと犯罪者として、手配書を発行されるので注意してください。
3、税金は、
・『小型船舶2万
』
・『小型帆船5万
』
・『中型漁船10万』
・『中型帆船30万』
※中型漁船、中型帆船について、魔動力を積んでいるこれらの船は、近隣諸国まで航海することが可能です。ただ他国で交易する場合は、商人ギルドに登録する必要があります。
また他国との交易は税金が発生するので、商人ギルドで確認下さい。
「うえっ、そこまでリアルに合わせなくても……」
妙な所が作り込んであるゲームであった。