海辺の町ランガ
どうにかフィールドボス討伐ができた。
「行きますか姐さん達」
サミエル「そうね、初めての港町だしパーティを解散して、個人個人色々見て回りましょうか」
セリシア「好みも違うし良いんじゃないかな」
クリス「僕も了解です」
三人とも目的が違うのもあって、町にある転移の門で登録だけ済ませたら解散した。
☆☆☆☆☆☆☆☆
僕は、漁協ギルドに用があった、
最近情報サイトに載っていた。ランガの町のマップをダウンロードしてあったので、
別段迷うことなく。漁協ギルドに到着した。
港町から少し離れた小さな漁港。
遠目に、幾つか桟橋が架かっていた。
桟橋の手前に魚市場があって、
魚市場の前にある古ぼけた建物が、
漁協ギルドであった。
年季の入った。赤茶けた両開きの扉。
ギルドの中が見える。
扉はサンルーフのような作りであった、
海辺の町ならではの作りだろうか?。
「漁協ギルドに、何のようだ!?」
日に焼け、真っ黒になっている。いかにも粗野な印象を与える受付嬢?、
半裸の上に、申し訳程度の漁協ギルドの制服を着ていた。
なぜ女物を?
スゲー気になった。
ただ周りをみるが、漁師や職員の誰も、気にしてないようだった。
不思議だ。
「ギルドに登録したいんですが」
うろんな懐疑的な眼差しを受けながら、目の前の職員に告げた。
「あらあら、貴方、外の人よね」
「……………」
男が何か言う前に、近くにいた女性職員が、声を掛けてきた。
うん普通に美人な受付嬢だった。
「初めまして綺麗なお姉さん、僕はクリス冒険者をしています」
「なっ、ナタリアさん、あっテメー、ナタリアさんに声を掛けてんじゃねえぞ?!」
ナタリアさん?、って名乗った受付嬢にはデレデレしていたが、声を掛けた途端、顔を真っ赤にして、噛みつかんばかりのブルドックのように、僕に威嚇してきた。
「あらあらゴウタスさん、貴方なんのつもりですか?」
ぽやぽやした見た目なのだが、妙な圧力を感じた。
(あっ、これはダメな人だ)
伯母クラリッサさんと同じだな
「うっ、だってよ………」
「ゴウタスさん?、貴方はあくまでも受付嬢見習いでしかありませんよ」
「ぐっう…………ちっ」
舌打ちして、不貞腐れたように勝手に持ち場を離れてしまった。
「あらあら仕方ありませんね~」
口調こそおっとりしていたが、ナタリアさんは受付嬢としてもそれなりに信頼されてるのか、
それともあのゴウタスさんが、問題ある人物なのか………
「クリスさんでしたわね。漁協ギルドに登録されると言うことは、職業が」
「はい、まだ『見習い漁師』ですが」
「では、船を購入なさる予定は?」
「ええ資金も貯まったので」
「それはそれは」
ギラリ、ナタリアさんの眼鏡が光ったような気がした。
「こちらがギルド証です。冒険者ギルドで登録されてるとのこと、首から下げてますドッグタグに同じように繋げて、無くさないようにしてくださいね」
「ありがとうございました」
「ええええ、船を購入なさるとの事ですが、決まっている船大工やディーラーは?」
「いえそれはまだです」
「そうでしたか、良ければ、私の知り合いに紹介いたしますが」
確かに、海辺の町に来ることは考えてたけど、船大工と船のディーラーに伝はなかった。
「ではお願いします」
「承りました」
にこやかに微笑んだナタリアだったが、背にゾクリと寒気が走った。
「なんだったんだ今のは…………」
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お知らせ。年初1~7日までは、なるべく連続投稿予定、
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