久しぶりのログイン
明日は土曜だ~。
中間も終わった。
「ゆっくり遊べるな」
小さく気合い入れていた。
早速とログインした。
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見覚えのある天井だ。
「うにゃ~ん、ゴロゴロ」
ようやく来たにゃ、待ってたにゃゴロゴロ。
何となくそんなこと言ってそうな気がした。
「ミズリー、遊ぼうか」
「うにゃ~ん♪」
キュピン、遊ぶにゃ~♪。
エメラルドグリーンの宝石のようなお目目を爛々とさせて、喜色満面に輝かせたミズリーは、嬉しそうに遊んでいた。猫とかと遊ぶのは意外と楽しいな。
◇◇◇◇◇◇◇◇
久しぶりにマレンダ雑貨店に寄るとこにした。
「おやおや久しぶりだったね。クリス元気だったかい?」
マレンダさんは相変わらずな肝っ玉母さん振りな様子で、僕まで嬉しくなるから、不思議だ。
「はい元気でしたよ」
「そうかいそうかい、また配達なんだが頼まれてくれるかい?」
「はい、構いません」
『シティークエスト日用品の配達』
何だかこう言うのも懐かしい気がした。
「そう言えば、他のクエストも途中だったな」
あの永遠とゴーレム狩りのこと思い出してややげんなりした。
◇◇◇◇◇◇◇◇
南の森を抜け、慣れ親しんだ古ぼけた小屋が見えた。
「アルガンじいさんいるか」
扉をノックしたら。
『おるぞ、勝手に入ってきておくれ』
NPCなのに、ゲームなのに、こうした返事があるのは、すごく不思議な気持ちになっていた。
「おっ、クリスじゃないか、久しぶりじゃの」
「よっ、じいさん久しぶりだな」
それから他愛ない話をして、日用品と食料を渡した僕に、
「そう言えば、そろそろ先に行くのか」
「うん、いくつかクエストが途中だから、それが終わったら港町目指すつもりだよ」
「ふむ、だったら漁協ギルドに登録しとくとええ。自分の船を造るにも必要じゃからの」
「うん、そうするよ」
じいさんにおいとまを告げて、たまにはのんびりと釣りでもしようかと。
上流に向かうことにした。
☆☆☆☆☆☆☆☆
残念ながらBPは大して増えなかったが、それなりの釣果があって、それなりに満足感があった。
「ベルゲンのクエスト、早くクリアしなきゃ」
少し早いけど。今日はログアウトすることにした。