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中間の結果と夏休みの話



 無事に中間が終わった。半ドンだけども。テスト期間は割りと疲れます。


「ただいま~」


「お帰りなさい、栗栖テストはどうだった」


「可もなく不可もなく。まーまーかな」


「あらそう♪、栗栖のまーまーは期待出来るわね」


 ご機嫌な母さんは、鼻歌混じりに洗濯物の取り込みに向かった。






◇◇◇◇◇◇◇◇




 部屋で着替えた僕は、気だるい気持ちのまま下に下りた。


「母さんラブリンの散歩に行くけから、買い物あるならついでに買ってくるけど」


「あらそう♪、悪いけど頼もうかしら」






 結構ガッツリ頼まれたので……、


買い物用のリックサックを肩に掛けて、


「ラブリン散歩行くよ」


「ワフ♪」


リビングのソファーの裏で、寝ていたラブリンは、いそいそと起き上がると。尻尾フリフリ、ご機嫌に近寄ってきた。


「ラブリンリード」


「ワフワフ♪」


たったたた、軽快な爪の音も軽やかに、玄関に向かった。






☆☆☆☆☆☆☆☆





 今夜は天婦羅らしい。


野菜を沢山購入していて結構重い。 


「自転車で来れば良かったかな………」


 ややげんなりしながら歩いてると。


「あっ、ワンワンだあ~!」


 ちょうど小さな公園の前を通った時だ。公園で一人遊んでた四歳位の女の子が、目を輝かせながら上目使いしながら、もじもじしていた。


うん、これ………、無視出来ないよね。


ずしりと肩の荷物を重く感じた。






「お兄ちゃん、ワンワンバイバイ~♪」






ガッツリ遊んであげてたら。ついさっきお母さんらしき若い女性が慌てて公園に来た。


「あずみ、良かった………」


「あっ、お母さん起きたの?」


女の子はあずみと言うらしい。


 何気なく女の子が言うと。ちょっとバツが悪そうな顔をしていた。


どうやら母子家庭のようで、今日はお休みだったのだが……、


まあ~、あずみちゃんもお母さんがお仕事で疲れていたのが分かってたから。一人で公園に遊びに来ていたようだ。


「あっ、あの………」



 簡単に自己紹介とラブリンの散歩がてら、買い物を母さんに頼まれて、帰宅の途中にあずみちゃんと出会ったこと伝えると。


「あっ、ありがとうございます!?」


「お母さん、あずねワンワンに乗せて貰ったの?!」


 頬を赤くして、全身から楽しかったんだよと。満面の笑みを浮かべていた。



「………そう、あずね良かったわね」


「うん!」


 お母さん的には何か言いたいだろうが、こればかりは無事を喜ぶべきなんだろうな。


「帰ろうか」


「ワフ♪」


女の子と沢山触れ合えて、ラブリンも嬉しそうだった。





☆☆☆☆☆☆☆☆






 夕飯の後。お茶を飲みながら、リビングでテレビみながらまったりしていた。


「栗栖。夏休みのことなんだけど」


 母さんが珍しく夏休みの予定のこと聞いてきた。


「僕は予定は無いよ、来年だと厳しいけど」


「そうね、また栗栖にバイトをお願いしたいのよ」


「ええ~また?」


 どうやら伯父さんが来日するとかで、伯父さんの娘、従姉妹が夏休みだから日本に来たいと言っていたそうだ。


「ターニャか………」


 自由奔放な従姉妹の顔を思い出してげんなりした。





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