表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
107/1032

イベント最終日、欲望のオークション開催




━━━その日。



大陸中の富裕層が、オークション会場街を訪れていた。




欲望に暗い眼を。仄かに光らせながら………、



今か……、



と、その時を待っていた。



……そう欲望渦巻く、オークション開催を。



セレブリティー、阿鼻叫喚の様を、一喜一憂する様をただ楽しむ為に。



あるいみオークションは刹那的な快楽を与えてくれた。


時にはわざと値を吊り上げたり、時にはあれは駄目だと囁くと。驚くほど安く売れてしまうことがあった。



まるで人の生と死を擬似的に感じられるのだ。


あるものは金を湯水の如く吐き出し━━時に破滅する。



そんな愚かな姿を見るのは……、最高の娯楽であった。



貴族、王族、豪族、あるいは山賊の王と名乗る者、商人として品を出すのは無論、仲介者としてオークションに参加して、極上の品々を手に入れようと企む者。闇のギルド所属者の暗躍。



権力者にとっては、最高の喜劇を見るのだ。


高貴な人々にとって、最高の酒の魚であった。



━━人間の欲望に限りはない、



そんな特殊な風景を、ただ見ることが、ある意味最高の娯楽であった。



━━━貴族階級の淑女は、艶然と微笑み。時に起こるハプニングを楽しむために。




━━ある商人は勝機を見出だして、

莫大な財を金貨に替えていた。



━━ある国の王子は、伝説の秘薬が出るのでは、一縷の望みを賭けてやって来ていた。






━━━━━━━━





 スマホから、イベント最終日のPVを見ていた。


まだ時間はあるけど、残念ながら僕は学生だ。それに今は昼休みである。時間は有限だからね。


僕は、母自作の茶色いお弁当を前に、そっとため息を吐いていた。


「ベッキーのと間違えたな………」


油こい物だらけの昼はちょっと……。



手を出せずにいた。


「おっ、方城のお昼はガッツリか」


「ああ……」


「ん?、どうしたげんなりして」


「ん~、油こいものはちょっとね」


 何となく僕の言いたいことが分かったのか、


「そう言えば、方城は部活入ってないんだったな」


「今のところ帰宅部だよ。そろそろ入るか悩ましいところだけどね」


「ああ~、なぁ方城」


「ん?」


「俺のと交換しないか」


 みれば何となく。彼の言いたいことも分かった。


彼のもある意味同じ茶色いのでも、彼のは田舎料理の詰め合わせ。


要するに根菜の煮物ばかり入っていた、


炭水化物は里芋とご飯くらいだな。


「いいよ。僕もたまには煮物が食べたいからね」




………その日。




 お昼を供にする友達が出来たようだ。






◇◇◇◇◇◇◇◇






 帰宅前に。スーパーに寄って、箱ティシュとトイレットペーパーを購入した。


「後は洗濯洗剤と歯磨き粉かな」


 母から帰宅時間前にチャットから買い物リストが送られてきた。アプリのおサイフを見ると、入金までしてあるし。


「後は食材か……鶏胸三キロと。今日は唐揚げかな………」


 また茶色い物かと。ため息が出ていた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 誤字がひどい
2020/07/06 22:19 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ