モルト広場
転移の杖でモルト広場まで戻ってきた。
「そう言えば魔力ゴールドショップ最近寄ってないな」
なんとはなしに魔力ゴールドショップに向かう。
「イッ、いらっしゃいなんだな」
○古ぼけた地図の欠片15/16
・120000魔力ゴールド
マジかよ。売ってたし。買うよ。マジで、速攻に買ったよ。ラッキーだよ。最後の最後にさ、
「あっ、ありがとうなんだな」
「じゃ、早速」
・古ぼけた地図の欠片(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)/16
※不思議な力を感じた陶器の欠片がコンプした状態で、地図の欠片を揃えると………、
マップが開放されました。
「ん?」
いきなりログが流れた。気になったので、マップを広げるとダンジョンのマップが全て写し出されていた。
「あれ………、これってなんだ?」
マップに×が記されていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ある日のことだ。
我が大地の竜脈の上で寝ていると。一人の人間がやって来た。
『……………………………………………………………………………………………………』
『………偉大なる黄金龍よ、我が願いを聞いて下されないか?』
微睡みを邪魔されるのは豪腹だが、穏やかな顔立ちの人間が気になり、我は人間の話を聞くことにした。
人間の男が言うには、自分はこの近くにある国の王子だと名乗った。
それから王子は、突如として起きたある病のことを切々と語った。
『……我が父や母は、金と言う魔力に取りつかれてしまいました』
民には重税を課して父である王は、民を省みず。毎日を自堕落で、面白おかしく生きることをしていた。贅を尽くし、美食、女に現を抜かし。
母は、宝石、派手な衣装、美容に湯水の如く税金を使っていると。
『…………………………………………………………………………………』
男の話は、その国にとって不幸であるが、龍からしたら何処にでも転がっている。ありふれた話であった。
『………そのような退屈な話をしに来たのか人間よ』
だから苛立ち混じりに問うた。
『……………いえ、いえ……、いえ?!』
『ならば何故そのような、人間の愚かさを語るのだ、場合によっては………、ただでは済まさぬ』
うっすらと殺気を込めて、睨みつけていた。
『……………、たっ、ただ……』
恐怖で震えながらも人間の男は、ただ真っ直ぐ金色なる美しい龍の眼を。真っ直ぐ見ていた。
龍は永き時を生きていた。それ故に神龍とも呼ばれていた。
龍の殺気を受ければ、人間など下手をすれば心臓を止められていた筈だ。それを僅かな時であろうと。耐えて見せたのだ。多少だが、目の前の人間に興味が湧いた。
『父や母を狂わせた元凶である。金鉱山を………大地に埋めて下さい?!』
男の願いは、龍の意表を突いていた。
『人間よ。何故だ?』
静かな眼差しで、龍は人間の男に問いかける。
『偉大なる龍よ。父や母、我が国の民はぼくとつで、貧しいながらも、平和な国でした。それが………』
『そうであったか………』
龍は察した。善良なる王と王妃を狂わせたのが、金鉱山を見つけてしまったことであると。
『よかろう。そなたの願いを叶えよう』
◇◇◇◇◇◇◇◇
PVが終わると。マップの×が、オークション会場街にあると分かった。
『マップの×にある龍の銅像に。不思議な力を感じた陶器の壺を捧げよ』
シティクエストが
始まっていた。
マップを見るとオークション会場街のガチャ広場に。龍の銅像はあるようだった。
「確かに見たな」