唐突にクエスト告知されました。4
★ワイゲン騎士団長バルトライゼン視点
「ほほ~う、クリス殿よくぞ今のを止めて下さったのだ!、流石ですなガハハハハ!?」
(成る程・・・、閣下が懸念してた通りクリス殿は異界の貴族、または騎士の家系であろうな、我ですら今の暗殺者の攻撃に気付いたが、遅れていたわい。気が緩んでいなかったのだが閣下を危険にさらせてしまったのは失態だな)
しかし・・・
クリス男爵は武もかなりの腕前であろうとは、見てて分っていた。が、それだけでなく気配察知スキル持ちであったか、
これは確かに商人にしておくのは勿体ない逸材であるな。
(ふはははは流石は姫様であるな!、姫様が男であれば誠にワイゲン公爵家も安泰であったかも知れぬな~)
しみじみそう思った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ん、やっぱりか、ワイゲン公爵を狙ってる気配を感じるな~、
混乱してる騎士団による貴族の捕縛の現場こそ、格好の暗殺チャンスでもあると考えるのは普通だよね。
このクエストはそんな敵対派閥か、他国の思惑が絡んでるのかも、
そうすると狙いはこの国を混乱させようとすることかな~、
(多分、僕の役回りは暗殺者からワイゲン公爵を守るのがクエストクリア条件で、ワイゲン公爵が暗殺されたらクリア出来ないバットエンド扱いか、下手をすればオンリーワンのクエストの可能性とかもあるかな~)
再び、殺気を感じて身体が勝手に素早く動き、殺意モリモリの攻撃に向かって連撃で弾く。
キンキンキン
下手に反らせば万が一もあるので落とすのが基本である。
「閣下、暗殺者が紛れ込んでいるようです。恐らく毒を塗られた吹き矢の類いかと」
「ふむ、そうか・・・」
ワイゲン公爵の顔が苦々しい物を食べたように呟くが、その目には忌々しそうな怒りを感じた。
(意外と貴族関連も色々ありそうだな~)
内心嘆息したが、エンドアースの世界だとクリスもその貴族の一人であることを忘れていた。
三度、ショットソードを振るうもはや勝手に身体が動く程にこの手の訓練には慣れていた。
「しつこいな~、僕にはこの程度の攻撃なんて通用しないよ~、じいちゃんの扱きに比べればお遊びレベルだかね~」
ニヤリと不適に微笑むクリスに、暗殺者は怒りを覚えたか気配が漏れた。
「未熟!?」
クリスは気配に向かって左手を水平に振るうと三本の豹が放たれる。
※豹、重り、鈴を着けた幅広い針のこと。暗器の一つで女性は指輪として身につけてたりもする。
もしくは鍵開け、簡単な治療ようとして使用していた歴史がある。大陸の|飛族が用いていた武器の一つであるが、
日本で言う素っぱ、河原者、山伏が起源とされてるが、正式には天皇家を裏で守ることを主命として、天狗党の流れを組む者達である。
現代では忍ぶもの、忍者とされるがそれは真田十勇の物語から端を発したともいわれているそうだ。
源義経が幼き頃天狗党こと鞍馬天狗に飛翔術、軽身功を学びそれを納めていたとも・・・。
『ぐっ・・・』
小さな呻き声の後、小さく倒れる音がした。
「やったのか!」
「いえ、麻痺させただけなので後程、この捕縛が終わってから尋問を、それから・・・」
クリスは暗殺者の取説をしたら、ワイゲン公爵、バルトライゼンの二人から引かれた。解せぬ。