唐突にクエスト告知されました。
会場に入ってすぐ、周りの貴族達によるクリスへの嫌がらせと言う、内緒話をスルーしながら会場の真ん中辺りまで歩いた時の事だ。
『隠しクエストが開始されました』
「ん?」
僕だけに運営からお知らせが届いた。
【粛正の夜】
「随分と物騒なクエスト予告だな~、一応、暗器と安全靴があるから最低限、僕だけは平気だけどね~」
子供の頃からクリスは祖父、祖母からいざって時の立ち回りを学んでいたりする。
「小学生の低学年の頃は大変だったな~」
何処にでも湧くんだよね~、ボウフラのように変態ってのは、
子供にあんなこと教える祖父母もあれだけど、僕も子供心にないわ~って思ったけどさ、祖父母の言う通りて変態って何気に沸くんだよ。
それでじいちゃんから妹を守るのが男だぞって口酸っぱく言われたな~、それで変態とか、訳のわからないヤカラとかに出会った時の対応とかが主な理由だった筈で・・・、
まあ~、自分家の家族だけど何気に幼少時のハーフ、見た目が外国人の女の子は凄く可愛いのさ、ベッキーも小さい時はトテトテと僕の後ろに付いて回る姿がとても愛らしいかったな~、
祖父母からしたら当然と可愛らしい妹の護衛をと考えたのだろうね。
でもさ小学生だろうが、方城家の男であるからと物心ついた頃から、六道の裏である暗殺技を学ばされたのはどうかと思ったりしとよ?。まあ~そのせいか、
何となくではあるが、リアルで簡単な気配察知、危険察知を習得してたりするんだけど・・・、
それはまた別の話にしとくね~。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
バタン大きな音を立てて扉を開けたワイゲン公爵閣下は、
とても厳格な顔をしていた。さらにその後ろには武装した騎士団が従い会合場に入る物々しさである。
(これってもしかして・・・)
「国を腐らせる。腐敗貴族どもを捕らえよ!」
ワイゲン公爵閣下の命に騎士団が動きだした。
「なっ!」
「何事なのだ・・・」
一切、理解ができぬ貴族達は事態についていけないようだ。
(・・・僕は、その貴族に入ってないのか?)
騎士団の面々は僕を素通りして、先ほどまで僕のこと馬鹿にしていた貴族達を捕らえ始めるや、一目散に逃げようとする貴族達も現れた。
そして粛正が始まった。
「うっ・・・」
問答無用で逃げようとした貴族を騎士が殺したのであった。
(うわあ~、まじか、グロ切ったのは失敗だったかな~)
「閣下・・・」
「くっ、これはいったい何事ですかな」
慌てる貴族の中でも、ある程度上位の貴族家の当主であろう太った貴族が、顔を青ざめながらも誰何する。
「ふむ、流石は我が国の内務卿殿であるな、貴族として落ち着いておられるな」
皮肉ともとられない口調に、太った貴族こと、今の説明でこの国の内務卿と言うのは、おそらく内政大臣のことであろうか、と推測した。