貴族って馬鹿ばかりなの!?6
★ワイゲン公爵視点
クリス男爵が到着したと手の者から聞いていたが、まさか娘に『ちょっとした手土産です~、閣下にはサニアお嬢様へと言付けお願いいたします』との、我が部下である衛兵隊長に密かに渡して来る辺り、流石はクリス男爵だ。とても気遣いが出来る人物であるな、しみじみと思うたわ。
しかも娘へのプレゼントは国宝級の品であり鑑定書まで添えてある。
これには驚くとともにと、ある換言が裏に仕込まれていたのには背にひやりとさせられたものよ。
「クリス男爵はそこまで考えたと言うに、他の貴族どもは・・・」
流石は商人と言うべきか、危機管理能力が高いゆえか・・・。
「確かにあり得るか・・・」
あ奴らはある意味Gと同じよ!。兎に角しぶとく一匹見ければ100はおると給仕長が嘆いておったわ、あ奴らとなんら変わらぬしぶとい生き物よな。我々の動きを察知していてもおかしくはないか・・・。
「ふむ・・・」
あまり民には知られていないが、貴族派と呼ばれる血統主義の5侯爵がいるのだ。
王家はある意味国を納める立場ゆえ中立であり、一応の立場として王国派と呼ばれている我々三公爵家は、それぞれが派閥の長であるのも、各々がどちよりの派閥と名言していないせいである。
辺境伯爵のように国境に面してるプレハは軍閥など率いておるし、他にも宮廷派など細かい派閥はあるが、国を運営するには官僚必要であるゆえ侯爵家がそれを担って来た歴史がであったのだ。
それゆえ仕方なく法衣貴族派も三公爵家に取り込んでいたのだが・・・、
侯爵家から王妃を頂き、それゆえに内乱が起きたと言うて過言ではない。しかも侯爵家の一つが内乱に手を貸していたばかりか官僚である。法衣貴族まで唆されていた次第、気付けば役に立たない法衣貴族が多いこと、中には不正をしてる軍閥貴族、貴族派の中にも多くの税を誤魔化していた貴族のまあ~多いことかと。
此度は呆れるばかりであったわ。
それに・・・。
内戦が起こった理由を調べてさせていた王は知った。
弟殿下と王妃の不倫によって生まれた次男があそこまでおかしくなったのは王妃の実家である5侯爵筆頭ベズール侯爵に唆されたのもあるだろう。
さらに貴族派の中にも自領地で麻薬を栽培しておる者がいたのだ。
なにより許せぬのが王都のことよ。
よりにもよって闘技場の地下にあった闇ギルド街は、5侯爵家からお金が流れていた可能性が高いとあると調べが付いたことが此度の膿を出すきっかけになったのであった。
後の世に【粛正の夜】と呼ばれるイベントに関わりをもたらせるPV撮影が密かに運営によって行われてることをまだクリスはしるよしも無かった。