貴族って馬鹿ばかりなの!?4
黒服を着た使用人に案内されて、ワイゲン公爵閣下派閥会合の会場に入った。
(お約束と言うべきかな~、敵意と侮蔑、あとやっかみや欲望の視線がかなり注目を集めてるね。これは確かに気持ち悪いな~、まるで視犯されてる気分だね~)
ある意味女の子が夏に、薄着になってもっとも感じる不快感に近いかも・・・、と密かに思ったクリスだった。
「おやおや、成り上がり者の御登場ですな~」
「ふん、ワイゲン閣下もあのようなげせんな商人を貴族になどして、寄り子にされるとは物好きな・・・」
「左様でさな~」
悪口をわざと聞かせる陰険なやり口、テンプレですね~。ありふれすぎて逆に新しいかもと内心鼻で笑っていた。
(まるで、出来の悪い物語にある。ありふれた学校の虐めみたいだな~)
さしずめ僕は平民から成り上がりの御曹司、お嬢様学校に入学した転校生と言った所だろうか?。
(ベッキーの好きな漫画の男女別パターンだけどね~w、ウケルとかベッキーなら言いそう)
クリスが周りの貴族の聞こえるようにわざと聞かせる罵倒などそよ風のごとく、爽やかな笑顔で潜り抜けていた。
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★とあるワイゲン閣下の密偵使用人
流石と言うべきか、ワイゲン閣下がお気に召された方であるな、あそこまで胆力があると周りの雑魚貴族の雑言など気にせぬようで安心だな、これは嬉しい悲鳴であるか、サニア姫様も安心なさるであろうか、
我々としてもサニア姫様には心苦しいが、王国の膿を出すようにとの仰せゆえクリス男爵の動向も調べていたが、流石はサニア姫様の騎士であった。
商人ながら貴族がなんたるかを理解しておるものよ。
実に感心していた。
「ちっ、つまらぬ、貴族になったと言うのに反論も出来ぬとは情けない」
「全くですな~、これではワイゲン閣下の顔に何時泥を塗るのか我々が教えて差し上げねばなりませぬな~」
「しかり、しかりよ、ワハハハハ」
これである。閣下も要らぬ膿を出したくなるのも頷ける。
他のベルゲン公爵家、プレハ公爵派閥も今宵、多くの貴族家が消えることになふとは、愚かな貴族達はしるよしも無いのであった。